あんへる

弱キャラ友崎くん 第1期のあんへるのレビュー・感想・評価

弱キャラ友崎くん 第1期(2021年製作のアニメ)
3.6
【2021年冬アニメ作品{全12話}】

《冴えない友崎くんの育てかた》

陰キャのゲーオタ友崎くんが人生という名のクソゲー攻略に挑みます。

ぱっと見、テーマ性の軽そうなイメージから正直今期の中で余り期待はしていなかったが、いざ観終わってみると想像より楽しめた印象はある。

主人公のキャラから最初は俺ガイルっぽい話なのかな?とも思ったが、全く違う。
広義では同じ陰キャでも、陰キャであることに基本引け目を感じ変化を望むタイプの友崎と、逆に陰キャであることに誇りを持ち意志を貫くタイプのヒッキーとでは、そもそもキャラクターとしての根本的な性質が違ってくる。
作品の構造的には冴えカノっぽい部分も一部感じるが、主旋が完全なる別物だからな。
その点、今までありそうで無かった感じなのかな。

ぶっちゃけ中盤辺りで間延び感とテーマ性の限界を感じ切ろうかとも一旦は思ったものの、女性キャラ達の可憐さとOPの謎の中毒性のおかげで何とか踏み止まった。
結果的に切らなくて正解だったな。終盤(ラスト2話)が思いの外見事だった。
最後まで観ると途中の伏線やキャラの描写が緻密で、意外にも繊細に形作られている物語なんだと気付いた。
ただ演出面がやや単調で安っぽく、作画の質にもムラがある。
やはり技術的な部分でストーリーの足を引っ張ってしまっている感は否めない。

まあ基本的に、害意が存在しない〈優しい世界〉って大前提の上に成り立ってる話だよね。
ラブコメって創作物なんで当然の設定と言われればそれまでなんだけど。
友崎の周りにはそもそも(たまたま)“外敵”が居ない恵まれた温室栽培の環境だった訳だし、そればかりか弱キャラ強キャラ云々以前にみんな有無を言わせず友崎に合わせてくれるイイ子ちゃんばっかじゃん!ってまずは思うよね。
だから本来この展開に説得力を持たせるには相当の創意工夫が必要なんだと思う。
確かにリアリティを世界観に持ち込まないラブコメとしての美学は大いに理解できるが、こればかりはご都合主義との線引きが非常に難しいところだよね。

てか、どんな形であれ日南葵とお近づきになれた時点で、友崎は立派な勝ち組だと思うよ。w

他にも幾つか気になる点はあったが、総合的には中々切り口の面白いラブコメアニメだったと思う。
2期はあるのかな…?
是非この続きも観てみたい。

あとOPとEDが本編との親和性が高くて地味に良質。(曲も良い)


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[主題歌]

OP
DIALOGUE+「人生イージー?」

ED
DIALOGUE+/泉優鈴(稗田寧々)/七海みなみ(長谷川育美)/菊池風香(茅野愛衣)/日南葵(金元寿子)「あやふわアスタリスク」

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