あんへる

ワンダーエッグ・プライオリティのあんへるのレビュー・感想・評価

3.7
【2021年冬アニメ作品{全12話+特別編1話}】

《奇跡も、魔法も、あるんだよ》

脚本家・野島伸司氏が初めてアニメ制作に参加したオリジナル作品。

めちゃくちゃ雑に例えると、「ペルソナ5」と「まどマギ」を足して2で割ったような感じの作品なのかな。
でも終盤は「GANTZ」っぽさもあったような。

ラノベっぽいと言うより、ジュブナイルでダークファンタジーといいますか。
なかなかクセが強めな作風ですな。

まず画が途轍もなく綺麗だなと。
最早“TVアニメ”ってクオリティじゃないよね。
独創的な世界観と圧倒的な作画力が織り成す超絶美麗な映像表現。
ねいる風に言うなら、まさに度肝を抜かれた形である。
アニメでしか出来ない表現を丁寧に作中に落とし込んでるなという印象。

序盤から既に不穏な空気が漂ってはいたが、ストーリー後半以降は露骨にショッキングな展開や描写も多く、自身のSAN値が徐々に削られていく感覚。
というより、終盤は軽いサイコホラーだな。
その点、話としては人を選ぶ作品だろう。

アクションシーンもかなりクオリティが高く、ケレン味たっぷりで見応えも十分なんだけど、『トサカにきたー!』とか『あなたのハートにズッキュンバッキュン!』とか決め台詞で急に昭和感というか、思考が一瞬止まる謎の感覚に襲われる。

物語は謎が多く残された、中途半端な状態で幕を閉じる。
聞けばこの続きは今後特別編という形で制作されるみたい。
察するに、制作がかなり難航してたんだろうな。(1クールなのに途中で総集編入ってたし…)

物語が完結していないので現時点での総評は出来ないが、とにかく続きが気になります。
私は最後まで見届けるぞ。



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特別編を観たので追記

手短に、そりゃないぜ感がすごい。
だってこのオチで納得しろって方が無理でしょ。
というか基本何も解決しちゃいないし、何一つケリを着けずに終わってる。

プライオリティという指針を見つけたアイはそれでいいのかもしれんが、物語はそこで完結する訳じゃない、寧ろそこからが重要なのでは?

曖昧なものに縋り、揺れ動きながら歩む思春期のリアリティはわかる。
でも正直言って見たいのはコレジャナイ。

もっとバトルを、もっとファンタジーを。
もっとシンプルでええんやで。


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[主題歌]

OP
 アネモネリア「巣立ちの歌」

ED
 アネモネリア「Life is サイダー」

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