2024年 TVアニメ10本目
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
CLAMP手掛けるオリジナルアニメ。監督は『カードキャプターさくら』の浅香守生監督。
当時のCLAMP作品はやっぱり良質だな〜。
人型パソコンが主流となった時代で展開されるSFラブコメ。パソコンが人型によることで起きるフィクトセクシュアルをテーマにした作品。
カードキャプターさくらでも感じたけど、これから注目されていくテーマを先取りするのがうまい。自分にとって都合の良い相手となってくれる"人型"パソコン。前半はラブコメ展開で進んでいくが、後半は物語のテーマとなる性的嗜好について問う。パソコンに夢中になってしまうことで起きる人間関係の亀裂など、現代社会とこれからの社会における重要なテーマを描いている。
人型による性的消費扱いも否める中、一瞬一瞬の思い出のために主人公が奮闘するといったものは、何も不思議ではないものと感じた。どんなモノであっても1人の友達、家族、恋人として見る現象と変わらないものだと。
ラブコメとシリアスな展開の塩梅が素晴らしく、パソコンでありながら"感情"を持つことに対する希望や絶望など、メインキャラ以外の心理的側面にも着目しており、終始無駄がなかった(最終盤に登場した2人組キャラは蛇足)。テクノロジーの発達によるジェンダー学として取り上げても良いと思う。
アニメーションも終始安定しており、若き杉田智和さんを筆頭とする声優さんのお芝居も素晴らしい。音楽に関してはアニソン界の巨匠、北川勝利さん擁するROUND TABLEが担当しているので言う事NOTHING。