回想シーンでご飯3杯いける

機動武闘伝Gガンダムの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

機動武闘伝Gガンダム(1994年製作のアニメ)
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【TV/OVA版ガンダムを製作年順にレビュー中】

ガンダム・シリーズ生みの親、富野由悠季は'93年の「Vガンダム」を最後に監督をいったん降りる事になり、'94年の「機動武闘伝 Gガンダム」は世界観も一新。それまでの宇宙世紀とは全く異なる未来世紀という時代設定になっている。

「ZZ」、「V」とテレビシリーズが以前ほどの視聴率が取れない状況、そして先に書いた監督の交代、、、これを気にガンダム・シリーズは大きな変革期に突入する事になる。それまでのガンダム・シリーズが基本的に戦争を舞台にしていたのに対し、本作は戦争を回避する為に開催される「ガンダム・ファイト」という格闘技が物語の舞台になっている。したがって、それまでのガンダム・シリーズで人気の要因になっていた、リアルなミリタリー描写、政治ドラマなどの要素は完全に排除される事になった。

その代わりとして徹底的に前面に打ち出される事になったのが、ビーム兵器などの飛び道具を使わない近接戦闘だ。特に「Z」、「ZZ」では、飛び道具中心だったため、敵味方のモビルスーツがひとつの画面で一緒に描写される機会が非常に少なくなっていたのだが、本作は常に画面内に2機体が描写されている。これって、意外と重要な要素で、ロボット・アニメとしては純粋に熱い絵柄が得られるようになった。

格闘を題材に持ってきた背景には、当時の世相が色濃く現れていると思う。ひとつは、いわゆる対戦格闘ゲームがブームになっていた事。「ストリートファイターII」が'91年、「バーチャファイター」が'93年。見事にタイミングが噛み合う。そして、もうひとつ、「ドラゴンボール」シリーズが人気絶頂だった事。シリーズ中最も人気が高い「ドラゴンボールZ」の放送が'89~'96年なので、これもバッチリ噛み合う。で、このドラゴンボール世代は、ファースト・ガンダム世代よりやや若い世代なので、結果的に「Gガンダム」は、ガンダムシリーズにおけるファンの世代交代をある程度促進したと思う。

ちなみに僕はこの時期、クラブ遊びやDJ活動にどっぷりハマッていたので、リアルタイムでは観ていない(ゲーセンでバーチャやってからクラブへ、みたいなのが当時の典型的な遊び方だった)。クラブ熱が一段落してからVHSで観たんだけど、、、実は途中で挫折した。これってロボット・アニメとしては面白いけど、ガンダム・シリーズとして押さえておく必要があるのかな? と考えた時、急に冷めちゃったのだ。だから、このレビューもあまり当てにならないはず。