平田一

シャングリ・ラの平田一のレビュー・感想・評価

シャングリ・ラ(2009年製作のアニメ)
4.2
“標的、理想郷。國子、戦闘開始。

私の未来は、私が決める!”


「バガージマヌパヌス」「風車祭(カジマヤー)」等を手掛けた池上永一さん原作の同名SF小説(どちらも未読)を「LAST EXILEシリーズ」のGONZO制作でアニメ化。森に侵食されてしまった近未来の東京で、反政府組織の総裁・北条國子が立ち上がる、格差社会とミステリーとバトルとディストピアアニメ。監督は「アイドリッシュセブン」の別所誠人さん。シリーズ構成は「創聖のアクエリオン」の大野木寛さん。キャラクターデザインは「LAST EXILE」「青の6号」などの村田蓮爾さん。

簡単なあらすじは、

21世紀半ば、世界中で加速する地球温暖化の影響で、経済市場は株価から炭素へと移行された。東京都は熱帯の街へと変貌を遂げてしまい、激化する森林化で街は森に侵食される。

物語は都が打ち出した東京再生計画の、一環たるアトラス計画に隠された目的を、格差に抗う反政府組織「メタル・エイジ」総裁・北条國子の戦いを中心に綴ってく―――。

村田蓮爾さん作品を確か探していた時に、U-NEXTでこの作品偶然見つけたんですが、全然見るきっかけを4月の時まで作れなくって、「LAST EXILE」見終わって、やっと時間が出来ました!


結論から言ってしまうと、意外な作品でしたね。


あらすじだけ読んだだけでは話の概要掴めなくって、地球温暖化? 経済? 何の話!?でしたね。そしたらどんどん見れば見るほど、話にどっぷり浸かっていって、経済がそんなところで関わるだなんてビックリでした。難解さは否めないので(特に金融リース面)、少し大変かもですが、関心に変われるような配慮はしっかり備えてて、純粋にエンタメとして非常に楽しく見られました。勿論、北条國子といったキャラクターたちの成長のドラマとしても必見ですし、経済がここまで関わるアニメもホントに新鮮です。

そう、一番驚いたのが、「経済もの」の要素です。

いわゆる金融映画とかの仕組みが話に組まれてて、しかも根幹に関わってく……そこにメチャクチャビックリです! 特に日本のアニメーションでここまで組み込まれてるとか、しかも壮大な物語。全然予想外ですよ! 國子の方もそういう知識に精通をしてるとか、今のアニメでそんな設定のヒロインって見ませんね(断言w)。

嚙み合わないって思った同士のジャンルがこんなに噛み合うところ、しかも興味を抱けるような仕掛け、降参でしたねw

北条國子のキャラクターもメチャクチャ面白かったです。いわゆる猪突猛進だけど絶えず考え続けてく。元気っ娘な一方で、年相応の弱さもある。喜怒哀楽ハッキリしているところも気持ちいいですね! それにあんなにブーメランを、ガンガン使っている姿、星天使タケル(アニメ「ビックリマン2000」の主役)以来のキャラクターですよマジで(笑)。

まあ、しばしば、中弛みを感じるところもあったんですが、かなり新鮮な物語が見られて満足でしたね。モモコさんも魅力的で、メチャクチャ仲良くなりたいですし、国仁君と國子ちゃんの行方もニヤニヤでしたねw


まとめると、これからもっとタイムリーになりそうで、是非とももっと多くの人に見てほしい作品です。こういう野心的アイデアを既にやっていたなんて、これだから色んな作品見るのはやめられないですよ!
平田一

平田一