けいおんや聲の形などで知られる山田尚子の作品。滅び行く平家を描いた話。
さながらゴッドファーザーのような盛大な家族ドラマであり、日本人が鑑賞するべき傑作アニメに仕上がっていました。山田尚子の作品は色々見てきたけど、おそらく今作が最高傑作だと思います。作画は美しいし、琵琶の歌の演出も素晴らしく、1話1話が見事に引き締まっていました。キャラクターも皆多面的に描かれており、感情移入がしやすいように物語が設計されていて良かったです。役者の演技も完璧でした。最初に山田尚子が平家物語を作るって聞いた時は雇われ監督感が出るかなって思ったんだけど、意外にも全体的に彼女の味が効いていたし、細かなカット割や花の描写、女子同士の友情など山田尚子らしさが強く出ていたのも個人的には好きな点でした。
終盤の琵琶の行動が京から出て行ったり戻ったりを繰り返していて、そこだけは脚本の粗が少し目立っていた気がします。琵琶と母親のエピソードが大事だったのかもしれませんが、流れがあまりスムーズじゃなくて残念でした。
先日湯浅政明の犬王を鑑賞したので、比較対象として今作のレビューを先に書いた所存です。1クールでここまで良いアニメってほとんどないし、日本人は絶対に見た方が良いと思います。オススメです。
