レインウォッチャー

スター・ウォーズ:ビジョンズ Volume 2のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

3.5
複数のアニメスタジオが各話を担当するアンソロジーのシーズン2。日本のスタジオに限定されていた1期に対して、今期はヨーロッパ、アジア、アフリカと世界からの参戦。

テイストやクオリティが十人十色なのは1期同様なれど、民衆=ジェダイ=自由=白 / 帝国=シス=支配=黒、という共通認識フォーマットの中で、もう何でも作れちゃうんだなーと思ったり。要するに、ワールドクラスのコミケだよね。

多くのエピソードが、短編の1話完結ということもあって「脱出」や「旅立ち」に収束する。
地理や文化的背景が隔たっていても、スターウォーズの向こうに広がる星々の海、「ここではないどこか」を夢見る思いは共有できる。大袈裟かもしれないけれど、それは共感や団結の可能性を確かに感じさせてくれる体験だ。

わたしの各話好みはこんな感じだった。
推しは、『ウルフウォーカー』のスタジオによる幻想的な絵本の世界とダークな啓示が結びついた②と、フェルト等を使ったストップモーションアニメが断然キャワな⑨。

①シス ★★★★
 スパイダーバースを思わせる水彩世界
 El Guiri Studios(スペイン)

②スクリーチャーズ・リーチ ★★★★☆
 幻想的な大人の絵本
 Cartoon Saloon(アイルランド)

③星の中で ★★★★
 クレイアニメ(風?)
 Punkrobot Studio(チリ)

④だってママだもの ★★★☆
 クレイアニメ(風?)
 Aardman Animations(イギリス)

⑤ダークヘッドへの旅 ★★★
 日本のファンタジー / ロボットアニメを想起
 Studio Mir(韓国)

⑥スパイダンサー ★★★★
 手書きの質感を残した線が独特
 Studio La Cachette(フランス)

⑦ゴラクの盗賊 ★★☆
 ひと昔前のゲーム風、ちょっと不気味
 88 Pictures(インド)

⑧穴 ★★☆
 昔の劇画調OVAにありそう
 D'ART Shtajio(日本)

⑨アーウの歌 ★★★★☆
 フェルトアニメ(風?)
 Triggerfish(南アフリカ)