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機動戦士ガンダム 水星の魔女のtakのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム 水星の魔女(2022年製作のアニメ)
4.2
長年続くガンダムシリーズ。最新作「水星の魔女」は学園が舞台で主人公が女子。これまでにない設定だけに、どんなものになるのか興味津々で毎週日曜5時が楽しみだった。これまでガンダム に見向きもしなかった長女までも
🧑🏻「女子のガンダム なら見よっかなぁー」
と参戦。スレッタのキャラクターと、決闘シーンのカッコよさ、ミオリネの「お堅いのね♪」がハートに刺さったらしく、毎回キャアキャア言いながら見た。決闘団体戦となる回、チュチュ先輩がラストシューティングを決めた瞬間。
🧑🏻「チュチュせんぱぁーーーーーい♡」

もちろん架空のお話だけど、現代を生きる若い子たちには共感できる部分がたくさん散りばめられている。スレッタの人見知りでコミュ障のキャラクターやスクールカーストが描かれることもそうした要素だ。大企業御三家の御曹司とその取り巻き、地球出身のアーシアンとそうでないスペーシアンの対立。それらは、学校の外にある大人たちのどす黒い欲望、実は一触即発の危うい状況につながっていく。回が進むにつれて、スレッタとミオリネら学生たちが巻き込まれていく様子がスリリング。だんだん闇が深くなっていくのだ。

そしてパイロットを死に追いやる危険があるために製造が禁じられたガンダムの呪いという設定。その危険度はプロローグできっちり描かれる。従来のファンは「鉄血のオルフェンズ」の阿頼耶識システムが頭にあるから、ガンド医療という新たな設定も受け入れてしまう。

スレッタが母の教え「逃げたら一つ、進めば二つ」を貫いて困難に立ち向かう姿は、見ていて勇気をくれる。ミオリネもそれに影響されて行動を変えていく。二人の結びつきは、青春ものとしてのガンダムの新たな魅力になっている。しかし、その教えはスレッタを駆り立てるための呪文でもある。第1シーズン最終回となる12話の衝撃の展開とラスト。悲しいけどこれ戦争だったんよね、ガンダムにはダークな一面があるんよね。スレッタの血まみれの手のひらが僕らを引きずり戻すのだ。

10話が終わった頃。長女は美容室へ。
🧑🏻「ショートボブにしちゃった」
🙂「それ、青のメッシュいれたらニカ姉みたいやん。意識したんやろ?」
🧑🏻「違うもん。」

ラストのスレッタの笑顔にゾッとした。続きが待ちきれない。
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