映画初心者

TRIGUN STAMPEDEの映画初心者のレビュー・感想・評価

TRIGUN STAMPEDE(2023年製作のアニメ)
3.7
有名作品の二度目の映像化。原作、旧アニメともに未経験での鑑賞。本作はorangeによるCGアニメーションでの映像化。

歪なアニメ化でしたが、最大瞬間風速はなかなか。

まず、とんでもなく映像の質が高かったですね。作り込みが凄い。特に、1話はアニメ的豊かさ、11話はビジュアル、12話はアニメ的豊かさとビジュアルの両方。この3話があまりに自分にドンピシャでした。お話としては、割と詰め込みすぎで映像をみせてやるみたいなものでもなかったのが大半でした。しかし、お話として8話と12話エピローグが好きですね。トライガン、子供時代関連の話はどれも当たり。

MVPは、TARAKO。ちびまる子の声優で有名ですが、ここまで凄い人なんだと認識。色気がとてもあり、声優にあまり興味のない自分でさえうなる凄さ。

【現在お気に入り話数】
1話、8話、11話、12話(best)


【1話】
とんでもないクオリティだったなというのがまず1番始めに思います。CGアニメで手書きアニメ的なルックのみならず、動きの精神性も手書きアニメ的だと思いました。基本2コマ打ち、ギャグの時は急に1コマになるみたいなそういった視聴体験。全体的にアニメーションの出来がとても良く、動きまくる。画面が全く死なない。そういった豊かなアニメーションなため1話は一瞬でした。お話としてはthe導入ですが満足度は高いです。

【2話】
次々と現れる刺客に対して主人公がどんばちするような展開になっていくんですかね。1話に引き続き、本当にアニメーションが豊か!、これだけで見る価値があります、orangeのアニメーションのクオリティが高い!!。面倒な街中モデルを動き回るシーケンスなど予算削減のためにロケーションが同じところばっかりなんかならず視覚的に退屈なところが1つも無い。

【3話】
1話、2話と映像の豊かさで魅せたものと違い、かなり落ち着いた回。しかし、展開がかなり速くアッパー的なグロテスクさもありつつも、そういった雰囲気の演出なため違和感が多かった。同じプロットでも面白くできたはず... アニメーション的にはシミュレーション、Houdiniのデモ映像のようなパートがあり、他のアニメではまず見ない画面だっただけに演出面が残念

【4話】
3話よりずっと良い出来でした。新キャラ、砂虫の体内と面白い画が多かったように思います。DUNEと同じく砂漠が舞台なため、砂虫は王道ですし、やっぱり魅力的ですね。中盤、もう少しホラー演出が巧かったらもっと良くなったと思います。溜めが少なく、くるぞくるぞ...という感じが薄かった。

【5話】
よくある話をよくある演出でした凡作回。もっと演出が面白くできれば、ずっと面白くできたでしょ.... タメが無くてずっと同じテンポでスリリングなことをしているので緊張感が一切ない。この作品、演出力にかけてる。

【6話】
十字架もった関西弁の男の回想パートが良かったですね、手書きの線のゆらぎ、無声映画のようなセリフを画面に表示する演出、そしてなんといっても実験によるドラッギーパートが楽しい。
ただ、それ以外がとても微妙なんですよね。途中のマッドマックスのような砂を泳ぐ人間たちを中途半端にしか描写してない。

【7話】
6話のタメを回収するような回でしたね。1話か2話ぶりにアニメーションが豊かで嬉しかった。とりわけ引きの画面でも動き、手書きパート、3DCGパートでライターを同じ動きをさせるところはグッときます。お話としては、前回でしか十字架男の過去を描写していないのでグッとくるには焦燥な感じはありますね。このシリーズ全体的に、展開を詰め込み過ぎな感じがあります。

【8話】
アニメの豊かさなら1話、話演出なら8話というところでしょう。コンテはSAOの伊藤智彦。主人公の過去編、1話冒頭のシーンに繋がる物語が描かれる。主人公はどうやって現在の姿になっていったかが描かれる。SFらしさが全開でとても良い、そして雰囲気、音楽の効果がよく出ている話数だと思いました。主人公の幼少期、大きすぎる服を着てぶかぶかになって腕が袖から出ていない姿があまりに萌え。

【9話】
終盤に入り、一気に世界観が見え始める。SF的な面白さがグッとました回で満足。相変わらず芝居アニメーションが細かくて良いです。そして、何より声優のTARAKOの演技が最高、完全にMVP。ピンポンの時の木村昴と同程度に、声優の力を感じる。とっても良かった。

【10話】
新聞記者コンビが良い味出していましたね。終盤にきて、新たな都市や舞台が登場し、カロリーが高い回、結構満足。ただ詰め込み過ぎな感じも否めませんが。

【11話】
子供の回はどれも当たり、そして今回も。色々なビジュアルが見れてとても楽しい。過去が変えられていく、それを多彩なビジュアルで見せていく。理想的、幻想的な過去は消え、悲しみが生まれる。そういったものが結構好きなので楽しめました。

【12話】
最終話。実験のさなか、花が無秩序に咲き乱れる描写最高。
中盤からの街中での空中戦からの大気圏突入のシーケンスで大興奮でした。誰しもが想像する空中戦がそのまま、動かしたいという原初的な気持ちがそっくりそのままでた描写でとても良かった。3DCGで町中を作り込まないとできないシーケンスを最終話でもってくるのは、カロリーコントロールがどうなってるんだ、オレンジ気合が入りすぎてる。

終盤で主人公の髪型が原作に近くなり、シンエヴァンゲリオンのミサトさんか!?と思ってしまった、サービス描写

エピローグも良かったですね。新聞記者2人組の片方が死に、また新たな新人がやってくる一連が特に。美しく少し切なさが残るもので好き。
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