メモ魔

葬送のフリーレンのメモ魔のレビュー・感想・評価

葬送のフリーレン(2023年製作のアニメ)
4.3
寿命には限りがある。
時の流れが誰しもに平等でも、その寿命は不平等だ。
あなたの1秒が私にとって10秒であるかもしれないように、
私の1秒はあなたにとって10秒かもしれない。
たった1秒だって自分の人生は無駄にできないし、たった1秒だって他人の人生にそっぽを向く時間なんてない。
大切な人を失う前に、この感情に気付かせてくれる作品。

そう感じた。

1話から涙攫われました。
不平等な寿命にフリーレンが何を想い旅を続けていくのか。今後の展開が楽しみなところ。
1話は特にこのシーンが好きだった。


だって私、この人のこと何も知らないし。
たった10年、一緒に旅しただけだし。
人間の寿命は短いってわかっていたのに。
なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう。


フリーレンがヒンメルの墓地を前に口にした言葉。
寿命が長いだけで、ヒトと変わらない感情を持っている良い演出だった。
フリーレンからしたら10年は10日くらいに思えるんだろうか。
これから知っていこうと思った時、すでにその人はもう会えない。
フリーレンの涙は、これからの期待が全て流れてしまった故の悲しさなのだろうか。


人生ってのは案外、衰えてからの方が長いもんさ。
↑ドワーフのこのセリフも良かった。
何か最近、人生は若い内に色々やらないと。
みたいな焦りが自分の周りに取り憑いて離れなかったけど。
このセリフを聞いて
[じっくりゆっくり自分のできることに全力を注いでいこう]
そう思った。

葬送のフリーレン。
1話目がここまで良かっただけに今後の展開が非常に気になる。

こういう、
人間とエルフの寿命の差について描いている作品は少なくない。
例えば[さよならの朝に約束の花をかざろう]
これも寿命の差を描いた物語だ。
だがどの作品にも
[エルフの死を描いた話]
これは存在しない。

ぜひ葬送のフリーレンには、フリーレンが寿命で無くなるその瞬間に、自分の人生について何を思うのか。そこを描いて欲しいと思った。

2024.0324(追記)全28話視聴
毎回話の中で勇者一行との回想が流れる度に涙をさらわれてしまった。
感情に敏感で時間の流れが早い人類に対して
感性に鈍感で時間の流れが遅いエルフ。
この種族間に生まれるギャップをこの作品はこの上なく上品に使っていた。
フリーレンの寿命はまだまだ来ないようだが、いつかフリーレンがこの世を去る時に、世界が心を動かす魔法で満ち溢れていることを願う。

※一気見じゃないからスコアの基準がつけずらい。一応4.3点で付けておくけど個人的に1番上に据えてもいいと思えるほど魅力的な作品だった。無駄な話が一切ない。1秒1秒に時間の大切さが詰まっている。
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