世界滅亡の末、過去に戻った主人公がその未来を防ぐために仲間たちを鍛えはじめる。かなり面白そうなあらすじたったのに、「未来を知っている」という設定を全く活かしてなくて酷い出来だった。むしろその設定が不協和音ですらあった。
様々な事件が起こっても「前の時間軸ではどうだったのか？」という部分を説明しないから、矛盾ばかりが生じて設定として成立していない。凡百のタイムリープものの中でもここまで酷いのはなかなかない。時間ものって最低限の説明が鍵であって、その開示の仕方やタイミングこそが肝なんだけど、作者は過去に戻った設定を忘れているのではってレベルで放棄していて話として成立してない。
世界観もめちゃくちゃ。中世風の武具屋や質屋に入ったかと思えば、イオンみたいな場所でデートが始まりゲーセンのエアホッケーで遊びだす。
極めつけは主人公の逆算とかいう謎能力。逆算自体はよくある能力ではあるけど、それは逆算じゃないだろってとこまで全て逆算で片付けるのはさすがに酷すぎる。逆算の能力って見てる側が腑に落ちる説明があるから面白いんだけどな。細部の整合性も尽く保ててなくて、低予算とかなろう展開とか以前にここ数年の中でトップレベルに酷かった。
どれだけ酷い展開でもニコニコとかでコメント付きで見ると笑えるんたけど、この作品に関してはマジで笑えなさすぎた。
