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終末のイゼッタのdendohのネタバレレビュー・内容・結末

終末のイゼッタ(2016年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『水星の魔女』のロスを埋める作品として鑑賞。

国名が異なるものの、WW2下のヨーロッパが舞台。良い事をしたと言われているが実はしていないというナチスドイツっぽい帝国が敵役。主人公サイドはアルプスの小国ということで、恐らくスイスだかリヒテンシュタインだかであろう。

基本的に戦車や戦闘機が飛び交い、前線兵士は塹壕にこもるいう近代戦をやっている世界。唯一の異物が魔女の存在だ。
魔女であるイゼッタは重火器に跨って飛行し、ミサイルや刀剣をビットのように操りながら攻撃/防御を行う。この時点でかなりスレッタ・マーキュリーっぽいのだが、そんなのは抜きにしてイゼッタの戦闘シーン様は格好よくて見映えする。

この主人公の万能ではない(魔法が使用可能なフィールドに制約がある)主人公の能力を戦略戦術で補っていくのは、コードギアスを彷彿させられる。

そのイゼッタのパートナーが、亡き父親の後を継いで国主となる公女フィーネである。フィーネは幼少の頃、迫害に怯えるイゼッタを助けた過去がある。この恩に報いる為、イゼッタはフィーネを助ける。
本作は少女二人が、文字通り悪の枢軸国に立ち向かっていくシスターフッドである。しかし百合要素は程々なのであまり期待するな。


何はともあれ『水星の魔女』との共通点がめちゃくちゃ多いので以下に比較する。

・戦争を描いている
・主役が少女二人(水星はカップルになるが、イゼッタはソフト百合止まり)
・主役二人の名前の語感が似てる(イゼッタとスレッタ、フィーネとミオリネ)
・主人公は赤毛で魔女と呼ばれる
・敵対する魔女が登場
・主人公の戦闘スタイル(エアリアル+キャリバーンっぽい)
・最終決戦、主人公は命を代償に力を得る。最後には自身の力の源を絶つ。
・最終決戦、主人公のパートナーは政治的決着をつける
・エピローグが3年後。主人公は障碍を抱えるも生存。

ここまで類似していると流石に水星も意識してるような気がするけど、どうなのだろうか。


なおストーリー終盤に最終兵器として登場する原爆だが、本作では結局使われることがなく、その凶悪性は登場人物によって非難されている。抑止論とか下らないことを言わずに作中で全否定されており、ここは私の思想信条的に好感が持てるポイントだ。


追加でもう一点。
少し古い作品なので仕方がない部分ではあるが、深夜のオタク向けアニメらしく、変なタイミングでセクハラやラッキースケベ等の半端なお色気要素がある。ポリコレ対応作品に慣れた状態で観るとちょっとキツい。バンバン人が死ぬシビアな世界観なので、性暴力描写とかならまだ分かるのだが、ただの手癖のソフトエロなので、個人的には完全にマイナスポイント。この点は『水星の魔女』の方が出来が良いと思った。
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