５秒間だけ他人の意識を乗っ取ることができる超能力でずるをして順風満帆な学校生活を満喫していた乙坂有宇は超能力者を集めて保護・監督している私立星ノ海学園の生徒会メンバーの友利奈緒たちに見つかり、妹とともに星ノ海学園に転入させられ、他の超能力者を探し出し能力を使わせないようにするという生徒会の活動に参加させられることになる、というところから始まるアニメオリジナルSF作品。
ラブコメディ要素、シリアス展開ありのヒューマンドラマSFということで、テイストとしては『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』や『STEINS;GATE』に近いものがある。両作品が好きだという方にはおすすめ。
１クール１３話完結のアニメオリジナル作品で、ストーリーは起承転結のお手本ともいうべき展開で、超能力者が存在する世界の騒動や異常性をきれいに収束させており、プロットの完成度は『翠星のガルガンティア』や『彼方のアストラ』並みに高い。
１話は上述のあらすじの通りの「起」で、２～５話は１話完結のちょっと心温まるエピソードの「承」なのだが、６話以降「転」にあたるシリアス展開が始まり、12,13話で「結」に着地する。アニメアニメしたアイコン的キャラクターもおり（シスコン・ブラコン兄妹など、ただしヒロインは媚びすぎていなくてよい）、序盤は好き嫌いが分かれる場面もあり、苦手な人は６話までたどり着ければ「転」にあたるシリアス展開が始まり、残りは最後までノンストップで行ける。
この作品では「もしも超能力を身に付けたら、何のためにどう使うか」という命題が提示され、数多くの超能力者により様々なケースが示され、そこに普遍的な人間性が見えてくる。また、結末に関して作中でも言及しているように超能力をうまく使えばよりベターな結末に着地できる可能性もあるが、超能力者の道徳や倫理観というものが示された気がする。
（GYAOで期間限定一挙配信で完走）
