トランティニャン

ギャング・オブ・ロンドンのトランティニャンのレビュー・感想・評価

ギャング・オブ・ロンドン(2020年製作のドラマ)
5.0
ギャングもの×戦闘アクション、すなわち地獄!
回を追うごとにエスカレートする、複雑で陰惨な暴力。『ザ・レイド』ギャレス・エヴァンスということで銃撃戦や格闘のクオリティが凄過ぎるのはデフォとして、オノ、ペンチ、ナタ、ドリルと、バイオレンスの贅を尽くしたアイデアと技術とアイテムのセレクトがやばい。で、ホラー映画ばりにそれをギリギリの描写で見せる。ギャレス・エヴァンス以外はホラー映画の監督なのも納得。ユーロピアンで悪い顔面もしっかり揃っている。

EP5は物語の本筋から離れ、主要キャスト皆無ながらこのドラマの面白さを体現し切った傑作回。全ての起点の凄絶な顛末を描いていて、『スカイフォール』なポツンと一軒家が地獄の業火に焼かれます。

パワーバランスの実相が見えてくるにつれ、「もっとシンプルにドンパチやって欲しかったな、、本当に悪い奴はよく分からない奴という、『キリング・イヴ』と同じ構図か」「脇役の顔面の強さに対しウォレス家は薄め…」と冷める気持ちが無いこともないが、シーズン2もギャング版ゲースロな、ゴリゴリの粛清と報復が紡ぐ新秩序が見たい。

にしても毎度狂人で強靭な殺し屋と闘うエリオットさんが不死身すぎる。毎回入院レベルだと思うのだが……