地球人を皆殺しにするために、宇宙の果てからたった一人でやって来たエイリアン。が、到着早々宇宙船が落雷により破損してしまう。何とか不時着させるも船は使えなくなり、ひとまず見つけた人里離れた家の住人をぶっ殺して、その肉体をコピーする。
数ヶ月後、その家から最も近い小さな田舎町の医者が亡くなる。事件か事故かは不明で、町にいる唯一の医者がいなくなってしまい、警察も役場も大騒ぎ。
エイリアンが殺した住人は医者だったので、彼に代役のオファーが来てしまう。エイリアンは宇宙人だと悟られないよう細心の注意を払いながら、医者として住人たちと交流することになるのだが…
原作はマンガらしいが、ストーリーが面白すぎる。久しぶりにWOWOWで面白いドラマを観た。
もちろんSFではあるのだけれど、基本はコメディ。正体がバレないようドタバタしたり、人類との認識のズレをみせる三谷幸喜的な笑いと、エイリアンであり医者という設定を存分に生かしたブラックかつ下ネタ満載のクドカン的な笑いが、絶妙なブレンドで同居している。また、ミステリー的な要素も含んでおり、先の読めない展開が続出するサスペンスとしても楽しめる。
町の住人たちも、ほとんど下ネタしか喋らない元スキー選手の独身女性バーテンや、カウンセリング通いが日課の気弱な町長、パワハラ気質の黒人保安官など、個性豊か。
特に、エイリアンの本当の姿を見抜く能力を持つ少年とエイリアンとの関係性が次第に変化していく様は、本作最大の見どころ。
主人公のエイリアンは、完全に悪役的位置付けのキャラクターにも関わらず、不思議な魅力に溢れており、いつの間にか応援してしまう。
そこから導かれる本作の主題は、コミュニケーションが絶対に不可能な存在といかに交流していくか、という非常に現代的なもの。
シーズン1最終回では大きな展開があったので、今後エイリアンと住人たちの関係がどう変わっていくか楽しみ。
既にファイナルシーズン最終回で号泣する予感しかない。
