さよなら僕のマクガフィンたち

生きるとか死ぬとか父親とかのさよなら僕のマクガフィンたちのレビュー・感想・評価

生きるとか死ぬとか父親とか(2021年製作のドラマ)
3.8
非常に映画的なドラマだったな、と思います。
山戸結希監督、素晴らしかったです。

原作の魅力は、ジェーンスーの語り口。
ストーリーの山場は、母の死と家を売るところ。
ドラマも物語の山場は同じなのですが、全体的にストーリーをアップデートしている。
例えば、パートナーの話はちゃんと語られていたり、またドラマパートが追加されていたり。愛憎溢れる小説よりもちゃんと今に繋がっていた。つまり2021年にドラマ化した意味があるということ。今の「生活は踊る」に繋がるようなドラマの着地もキレイだ。

一番良かったのは、毎回「〇〇とか △△とか」と最初に出て、話が終わるたびに「□□とか」が追加されること。毎回の余韻が素晴らしかった。文学としての魅力も伝わってくる演出だ。

言いたいことがないわけではない。やはりドラマなので、説明過多。
例えば、松岡茉優演じる若い頃のトッキーが、両親の入院でテンパって、父親の不倫相手に助けを求めるシーン。松岡茉優の演技は120点だったのに、「悔しかった」というナレーションは不要というか、台無しにしている。原作の語り口が良いので、説明を多くしたくなる気持ちがわからないでもないが。

吉田羊良かったわ。ジェーンスーに似てた。最終回のアカペラも良かった。國村準も良かった。
あとさ、音楽良かったよね。