けーすけ

大豆田とわ子と三人の元夫のけーすけのレビュー・感想・評価

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
4.0
ついに最終回を迎えてしまった。
映画『花束みたいな恋をした』がヒットしているところに坂元裕二脚本ドラマが始まると聞いて期待大だった本作。


正直なところ、初回放送を見た時は「ああ、これは視聴率はちょっと厳しいだろうな」という印象だった。予想は当たり、前評判ほどの盛り上がりではなかった。
ドラマとしては視聴率的な部分では凡作。でも個人的にはとても素晴らしく凄い作品だった。



大豆田とわ子を演じる松たか子はもちろんの事、とりまく元夫の岡田将生、角田晃広、松田龍平の個性突き抜けた魅力が迸っていてめちゃ面白い。とわ子の娘・唄を演じた豊嶋花も存在感抜群で、ドラマ・劇場版の『おいしい給食』で気になっていた子とわかり、今後が楽しみな一人。
伊藤沙莉のあのちょっとハスキーな声でのナレーションも心地いいし、劇中曲もめちゃめちゃかっこいい。

ただ、ターゲットとしては老若男女全ての人に響くものではなさそう…、というのが個人的感想。
本当に個人的な感覚なのだけど、きっと自身や身近で離婚や死別した人にはグサグサ来る部分があるんだろうな、、、と。

僕自身も中学生の頃に両親が離婚しており、母親は高校生の頃に病気にて他界という経験もあって、母親の気持ちや離婚後の父親の気持ちなどあれこれ思い出したり考えたりして、おそらくほぼ毎話涙していた。
あの環境のなかでまっすぐに育っている娘の唄ちゃんが最高すぎた…。


常識的にに考えたら、とわ子と彼女を(離婚後も変わらず)愛する三人の元夫がわちゃわちゃ仲良くってのはまず無いのだろうけど、歳を重ねたがゆえの変に大人な付き合いではなく、学生の頃のような無邪気なやりとりができる関係性は魅力的に見えた。


それにしても坂元裕二の紡ぎ出す言葉の数々は本当に面白いなーと改めて思い知らされた一作。
またしばらく時が経ってから見て、その時に何を感じるかが楽しみなドラマとなった。
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