父を亡くし孤独だったアストリッドが、ガイアールに見守られ、自閉症クラブの仲間に助けを求め、ラファエルと絆ができて、テオと仲良くなって……どんどん広がる彼女のコミュニティが眩しくも愛おしかった。
特にフルニエ先生との関係性にぐっときた。
ドラマ前半だと、電話をかけるのにわざわざ会話チャートを描いてシミュレーションしたのに、ラファエルに初っ端からチャートに当てはまらない返答をされて焦るシーンが好き。2人の関係性を示していて面白かった。
そんなアストリッドも、失敗しつつも皆とほどほどに関わって生きていく術を見出し、「キスを送る」ことを覚えたのがなんとも微笑ましい。
さすがフランスと言うべきなのか、会話の端々に、絵画、クラシック、ワイン、ミュージカルの名作がさらりと出てくるのも推しポイント。
電話の保留音の会話が特に好き。
ヴィヴァルディの四季より「春」は日本でも定番だよね。
「蛸壺型心筋症ってフランス語でも"takotsubo"って言うんだ〜！」とか、「寄木細工の秘密箱じゃん！」とか、色々日本要素が出てきたのも楽しかった。
主に字幕版で視聴したが、吹替版でアストリッドを演じた貫地谷しほりさんの声も素敵だった。
