オレオレ

メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実のオレオレのレビュー・感想・評価

4.0
王道のサスペンスドラマ。最後のどんでん返しに次ぐどんでん返しは、ちょっとやり過ぎな感が無きにしも非ず、だが。
なんといってもタイトルロールを演じるK.ウィンスレットが圧巻。そしてサブタイトルの邦題がゴミ・・・。

最初は登場人物がやたら多いうえ、男は髭面白人が多くて誰がなんだか、になる。というか、K.ウィンスレット、孫のいるおばあちゃん役だよ!おばあちゃん!

誰もが誰もを知っている、何かあれば、110番ではなく刑事であるメア(K.ウィンスレット)の携帯に電話をかけてくるような小さな、閉塞感のあるペンシルベニア州の町が舞台。
人生速足、な高校生も多くて、子供産んでるティーン、40代で孫持ってるおばさん、働いてるのか何なのかよくわからない髭面の旦那たち。ステレオタイプかもしれないが、いわゆるラストベルトのMAGA支持者ってこんな感じかも、って思わされる(政治色はないドラマ)。外から来る刑事や大学教授は髭もなくクリーンな見た目で、差が引き立つ。

この小さな町ではすでに若い女性が1年近く行方不明になったまま未解決な事件があるが、そこに、新たにティーンの惨殺事件が発生する。
でまあ、この謎解きがメインに話が進み、神父だの元旦那だの頭の弱そうなボーイフレンドだの、怪しいのが次々に出てくる。
「アメリカの小さなコミュニティでの殺人事件」なので、最初は「ツイン・ピークス」を彷彿とさせるが、FBIもチェリーパイもしつこい暗喩も出てこないので、デイビッド・リンチの粘着質に脱落した人はご安心を。

それにしてもK.ウィンスレットが良かった。電子タバコをガンガン吸いながらどデカい警察車両を乗り回し、すっぴん無口であのガタイ。その辺の男より重量感がある。そして、シリーズ6話あたりまで自分の感情を出さない。
その彼女と彼女の口の立つ母親(J.スマート)との会話が一服の清涼剤というかアクセントとなっていて良かった。特に葬式のくだり・・・。
ちなみに、メアの本名はマリアンなんだが、通称がMare(牝馬)って・・・。イーストタウンの牝馬ってタイトル、牝馬のようにしなやか、ってこと??

シリーズ化して欲しいようなここでスパッと潔く終わって欲しいような、だが、手垢のついていない町民がいないのでメアが転居しない限り、シーズン2はないよなあ・・・。