トランティニャン

流行感冒のトランティニャンのレビュー・感想・評価

流行感冒(2021年製作のドラマ)
3.5
コロナと比較される割に当時の記録に乏しいスペインかぜ。菊池寛や本作の志賀直哉がこのような作品を残していたことすら知らなかった。

志賀直哉は郊外の我孫子を拠点としていたこともあり、都心の感染状況が多く出てくるというよりかは、感冒でまた娘を失うのではないかという志賀直哉の恐怖、周囲への猜疑心が主眼。なぜに自身の移動を制限していなかったのかは分からずじまい。。

原作は未読だが、客船でのクラスタ感染、マスク警察(ガチの)、デマ(白湯を飲むと良いとか)、飲食店の苦境等々、歴史は繰り返す的なエピソードも多数出てくる。

主演の本木雅弘はいつまでもカッコいいし、安藤サクラ、仲野太賀、石橋蓮司ら脇を固めるキャスティングも、このミニマムな世界観の中やりすぎず的確。