EDDIE

HALSTON/ホルストンのEDDIEのレビュー・感想・評価

HALSTON/ホルストン(2021年製作のドラマ)
4.2
ホルストンの生涯。
彼は自分の才能を生かし、沢山の魅力的な作品を世に輩出してきた。
成功という甘い蜜に溺れ、自分を見失っていく。
彼自身の偉業だけでなく、彼の犯してきた過ちさえ余すことなく明かしていく伝記。
素晴らしいのは彼の愚かさを表現するだけでなく、彼を1人の人間として愛着ある描き方をした点。


以下、1話ごとにTwitterに投稿した各話の感想とまとめ。

第1話
伝説のデザイナー、ロイ・ホルストンの生涯。
絶対的な自信と野心を持つ。クセの強い性格は邪魔者を寄せ付けないが、たった1人のスターを振り向かせる天性の魅力を備える。
エミー賞の主演男優賞を獲ったユアン・マクレガーの怪演から目が離せない。


第2話
ベルサイユでのファッションショーのチャンスを得たホルストン。
傲慢な彼は、雨漏りのする控室、引き立て役である順番、ドレスの準備が間に合ってないことに憤る。
ただ逆境を打ち返したのは仲間達の協力があった。華やかなショーは見惚れてしまった。


第3話
ホルストンブランドの香水作り。
確固たる自信でブランドを成功へ導き、プライベートでは孤独に苛まれる。
様々な“愛している”のカタチ。
親友のライザは結婚、友人のエルサやビクター、エドとはもつれた関係に。
成功と反比例して不安は高まるばかり。


第4話
ホルストン最大の試練。
仕事では傲慢さが改善されず、仲間や投資家から見限られていく。
そんな最中、コカイン&パーティ三昧でライバルにも先を越される。
天才の苦悩…それ以上に彼の弱さが見えるエピソード。
悪いことは連鎖的に起きるという教訓。


第5話
“ホルストン”という名前。
ブランド名でありながら、彼自身の本名ということもあり、物語に深みと憐れさを感じさせる。
才能に溺れ、自分を見失い、大切な人は去る。偉人を持ち上げるだけでなく、才能を持て余す人々に贈る教訓。
観る意義は強くある。


最終話まで観た感想としては、やはり才能に溺れることなく、努力を続けること、仲間を大切にすることの重要性を学んだというところ。
ホルストンは間違いなく一流デザイナーで名を残しました。
しかし、彼自身の人生が成功だったかと言われると疑問符しか残りません。もちろん彼個人が満足したか、納得したかというのは別問題としてです。

もしかしたら、偉人とはいえ故人をコケ下すような描き方に納得しない人はいるかもしれません。特に彼を好きだった人はこの描き方に納得しないかも。肯定的に描かれているわけではないので。
だけど、私にはそこが本作への信頼に繋がっています。

想いとしてはホルストンと同じ過ちを犯してほしくないという製作者側の想いを感じたからです。
どんなに才能を持っていたとしても、傲慢であり続けると失うものは多い。
ホルストンの場合は仲間や会社というもの以上に大きなものを失いました。
どんなに成功をしても、謙虚さを失うことなく、やはり自分の周りをみんな幸せにしたいという意識で仕事をはじめとして取り組んでいきたいなと思いました。
EDDIE

EDDIE