甲神山亘

相棒 Season 4の甲神山亘のレビュー・感想・評価

相棒 Season 4(2005年製作のドラマ)
4.7
鹿手袋と別れた美和子さんと亀山くんがどういう流れでよりを戻すのかという展開を見どころのひとつとして

長門裕之さん、高橋かおりさん、田中実さんの演技が光っており、北条晴臣こと閣下との意外な決着のつけ方を描いた初回スペシャル「閣下の城」

石橋蓮司さん演じる頭のいい教授との軽快な対決を見せる古沢良太さん相棒初脚本の「殺人講義」

脚本家砂本量さんの遺作となった
芹沢刑事をメインに意外な真相かつ狂気的な事件で印象に残るエピソード「黒衣の花嫁」と
快楽殺人犯の心理にとことん踏み込んでいる傑作エピソード「密やかな連続殺人」「悪魔の囁き」

製品の欠陥と容疑者が二転三転する構成、そして切ない結末が印象的な「殺人ヒーター」

大金を手に入れてしまったひとりの学生が出来心により起こした行動によって周りの人間の醜い部分がむき出しになるという出来事がエスカレートしていく様を秀逸に描いた「波紋」

ミステリーとしてもネタ回としても楽しめて亀山くんとのコンビだからこそ成り立っている良作のひとつ「監禁」

爽快感さえ感じる法廷でのどんでん返しとトップクラスに入る後味の悪さでいつ観ても強く記憶に残る「冤罪」

同性愛というテーマを扱っており印象に残る「殺人生中継」

人間の複雑な心理と暗示による殺人などの要素を丁寧に描いた「汚れある悪戯」

アレルギーを持つ者への暗示、野菜作りを愛する元アイドルの心情、「未必の故意」などをテーマにしておりとてもやるせないラストをむかえる「緑の殺意」

薬物絡みの捜査で警察に協力するなど決して悪人ではない関西人の若者がその能天気な性格とちょっとした無神経さが災いし命を落とすことになった事件で右京さん亀山くん双方の言葉にとても考えさせられる「最後の着信」

大切な物に依存しすぎたり、自分の仕事と人生に振り回されてしまった人物たちの狂気と悲惨な末路を描いた「節約殺人」「アゲハ蝶」「殺人セレブ」「天才の系譜」

正義を信じてほんの少しの勇気を出すことの大切さを教えてくれる「告発の行方」

月本幸子さんとの出会いとそのよくできたキャラ設定、独特な雰囲気を醸し出す緊張感あるストーリー展開で最高に魅せてくれる「ついてない女」

3人の警察官が愚かすぎる動機を持ったことで同時に一人の男刑事を毒殺しようとするも手違い殺人が次々と起きてしまうという非常事態ながらも滑稽な事件に思えて見応え抜群の最終回「桜田門内の変」

とそれぞれバランスよく違う個性を発揮しているうえで完成度の高いエピソードが多く、相棒らしくゲスト陣が豪華ということもあってとても好きなシーズン。
甲神山亘

甲神山亘