jonajona

イカゲームのjonajonaのレビュー・感想・評価

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
4.2
金持ってないやつがデスゲーム参加しちゃうカイジ系ドラマ。

ビジュアルが全般めっちゃかっこよくてガンツを初めて漫画で読んだ時に近い高揚感がある。むっちゃ左右対称な画面構成を作ってたりパステルカラーの可愛い配色や不気味に広い空間の撮り方が病みつきになる。
作りとしては『ホステル』のような巨悪の闇組織の内部システムを探っていく面白さと、『カイジ』のようなクズどもが一攫千金を夢見てデスゲームをするスリリングさで成り立ってる。ありそうで意外とこの二つを両立させた作品がなかった。

1話と2話が非常によくできてのせられる。畜生のはずなのに潔癖でサイコ感強めのゲーム運営がおもしろい。主人公達をただ殺して楽しむんじゃなく、一見公正な選択肢を与えて愚かな選択をする所まで含めて娯楽にしてる辺り畜生みが深い。

1話で主人公がほんとろくでなしだけど憎めないキャラが出てていい。金が無くて親から金はくすねるけど、離婚して会えない娘の為に誕生日プレゼントが買いたい一心だったりばーさんの体は気遣ってたり、結局プレゼントを買う手段がゲーセンのクレーンゲームしか思い浮かばないあたりバカで好き。

ゲームに参加させる手段が突然始まるメンコ対決なのも斬新。スーツ姿のパキッとした紳士がメンコ勝負を挑んで勝てるまでやらせてくれる。負ければペナルティはビンタだけ。ほっぺたが異様に赤くなっても金を手にできたと喜ぶ愚民っぷりが絵的に映えてこの先の悪夢を予感させる。
仲介スーツ男が舐めプ顔🤪をさせれば右に出る者がいない『新感染』の爽やかイケメンことコン・ユなのも素晴らしい。

だるまさんがころんだが1番迫力あったけど、さすが韓国ドラマ、悪人が容易に善人にキャラ変するなどといった易しい展開はなく内面の嫌な部分を抉る容赦のないストーリーが面白かったので最後まで楽しく見れた。
だるまさんがころんだの時のお爺さんの『こいつ、笑ってやがる…!』感が笑える。

一点だけ、後半の展開でしぶとくてムカつくおばさんが取った行動がちょっとキャラ的に納得し難い。あの人はあんなことしないと思う。あ、主人公が自分のことを棚に上げて色々言い出したのもちょっとうん?ってなった。

しかしゲーム会場へ渡るエッシャーの絵のような入り組んだ構図の吹き抜け階段や、待機場所のベッドが折り重なっている空間のだだっ広さ。ゲームスタッフの△○□のモチーフの明快さ。とにかく絵面が面白いので、これだけで100点。続編がありそうな雰囲気なので今後も楽しみです。
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