ひば

智異山のひばのレビュー・感想・評価

智異山(2021年製作のドラマ)
4.0
人殺し多発マウンテンが見たいならこれを見な。災害で死んだのに自殺とされるどこの恐ろし村の現代法!戸惑いのスピリチュアル!突然のキャンディマン彷彿!女が出てくるや否やブルドーザーで退場だ!だがラッキーソンソック氏だけやたら真に迫る情緒があったあいつの過去から今の話を折って重ねていけば月に届く厚みがあるなんだあれは。ラッキーユンジョンソク氏も確認わたしのすきな男が続々集まるヤバ山。あや~~~智異山綺麗だな~~~だけでもだいぶもつので流し見するにはもったいないレベルのものが明らかに大金かけて撮られてる、山だけじゃなく町中の大規模なドローン撮影とか。過去と現在の話だと8話(22話編成)でわかったアスペクト比が変わるよ、わたしがゴミにしろ顔覚えられなさすぎ名前多すぎ覚えられないまま終わりました。美しい風景を割れた液晶で見てるのが悪いんだけど、夜になると山のシーンなんも見えなくて夜シーンは自分の顔見てる時間が長いぼくには人工光が必要です皆さんもっと輝いてもらわないと困ります。
なんかなんでみんな山にいるのかという視点はおもろかった山は生活、風土があり文化があり学びがあり癒しがある、そして各々他人には言えないバレたくないことをしに来る。体が弱くてもレンジャーになって山を守れるし安心して皆が出動できるっていいね。レンジャーの体力面は努力の範疇みたいな描写にはそうなの?となったけど、定期的な研修(それをめんどくさがる描写もまた良し)や地元民との交流があるというのは良かった。山火事対応する消防士なら植生を覚えるのは必須なのかな。気候災害なら周期的に回ってくるからトラウマができた時期にあわせて年周期で重なるの嫌だな。山に住んでた人が山以外に住む人たちの環境保護名目で生活が潰れるか逆に儲かり生かされるか明暗が分かれるのはなかなか興味深い、利権側じゃなく取り巻き側が暴走していくのも新しいタイプだった。あまりの惨事にもう山に人をいれるな思っても今までそれを決めてきたのは山は"生活"ではなく"自然遺産"という認識を持つ特権階級たちだから…という現実。
ソンソック氏、理想の初恋の男で良かった。こんなん一生忘れられん男じゃん、初恋の始まりから終わりまで完璧すぎる。別れの言葉をもたない別れを告げに来た男だった。過度な劇伴や演出に頼らず、彼が語る言葉の連なりやリズム、表層に浮き出る音、やわらかな自然的表情によって、『あ、今私の恋は終わった』ってこっちが思う瞬間のキメが凄まじかった。一端しかわからないのに。わたしが出会ってたら、なによ!あんたがわたしを見てくれたことなんて一度もなかった!ってわめき散らかしてた。左に『恋は雨上がりのように』の「フロントメモリー」があって、右に『シェイプオブウォーター』の「You’ll Never Know」があってその間に挟まれてるイメージわかるかその谷にね、魔のソンソックがいます。チュジフンと同じ画面に映ったあの異世界感わたしが山だったらぶち抜いて小脇に抱えてた
ひば

ひば