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倫敦ノ山本五十六のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

倫敦ノ山本五十六(2021年製作のドラマ)
4.7
 昭和9(1934)年、山本五十六(香取慎吾)は、米国など列強との軍縮交渉に臨むため英国・ロンドンへ。
米国の絶大な国力を知り、戦争は避けるべきだと考える山本は、ぎりぎりまで交渉決裂回避の道を探り続ける。
しかし、軍備拡大を目指す日本の海軍首脳部から、結論ありきの交渉を命じられ……。
昨年、山本五十六が、ロンドン軍縮会議の予備交渉でどのようにアメリカやイギリスと交渉したかが、克明に書かれた資料が発見された。
このドラマは、その資料を元にした歴史ドラマ。
ロンドン軍縮会議の予備交渉は、軍縮条約の枷を外してアメリカやイギリスと肩を並べる海軍を作りたい海軍上層部と軍縮条約の不平等比率を撤廃して軍縮条約を利用してアメリカを抑えたい山本五十六、日本を警戒するアメリカとアジアの植民地の安定のためヨーロッパの不穏な情勢に対応するため日本との関係を保ちたいイギリスと日本の熾烈な駆け引きがあった。
盟友である堀中将(片岡愛之助)の「軍備は平和のために整えるもの」という非戦論と対立してはいたが、軍縮条約の不平等比率を解消して軍縮条約の下でアメリカやイギリスと肩を並べる海軍を作りたい山本五十六は、日本の平和のために軍縮会議の予備交渉に臨むが、イギリスと手を組みアメリカとの条約交渉に奮闘する五十六の巧みな駆け引きでも、海軍上層部の壁を乗り越えていくことは難しかったこと、それが日本の経済を圧迫する軍事拡張に繋がり中国侵略に繋がってアメリカに敗戦した負の歴史が、山本五十六を演じる香取慎吾などの演技派俳優の演技合戦で生き生きと描かれてる見事な歴史ドラマ。
「軍縮交渉は武器を使わない戦争」
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