オレオレ

セヴェランスのオレオレのレビュー・感想・評価

セヴェランス(2022年製作のドラマ)
3.5
Covidで、仕事と私生活の関係に疑問を持ってしまったそこのあなた、まあまあ刺さります、このドラマ。

ただ、前半は特に、話がなんだかわからない。
会社にいる時の記憶と会社を出た後の記憶がバッサリ分離され、決して交わらないという施術を受けた人々、という設定くらいは知ってないと取り残されるかも。
もちろんみんな、自発的にその施術を受けたのだが、なぜoutie(会社以外の人格)が記憶操作の施術を受けたか事情がわからないinnie(会社のみの人格)。なので、innieを止める!と言い出すヤツも現れる。
それを陰に陽に監視する上司もまた、上の人間(姿が見えない)から監視されている。

アダム・スコット演じるマークも分離施術を受けたひとりだが、受けた理由も最初は明かされない。後半、それが畳みかけられるように明らかになっていくが、そのあたりからがようやく面白い。

マークが働いている会社(分離施術を発明した会社)の内装やオフィス機器が独特で不思議感を増長。
無駄に広いが天井だけやたら低いオフィス、分厚いコンピュータモニターに迷路でしかない真っ白い通路。携帯電話はあるがみんなの乗ってる車が80年代前半の質実剛健調で、ディストピア感が強まる。コーヒーメーカーにまで会社ロゴ入ってて、プロダクションデザインに痺れるわ〜

ストーリーが盛り上がるのは後半7話くらいからなので、前半のスローなペースは耐えてほしい。多分、S1の9話見終わってからまた見直すと面白いかもしれない。

マークの義兄の怪しい自己啓発本ライター(この中身がなくて笑える)、どっかで見たと思ったら、ネトフリ「Orange is New Black 」主人公の兄貴だった。キャラが同じ…笑。でも意外に重要なのよね、彼の本。

S2があるみたいなので楽しみ。
いろんな面でハードル高いと思うけど、頑張って欲しいわ〜