オレオレ

ブラック・バードのオレオレのレビュー・感想・評価

ブラック・バード(2022年製作のドラマ)
3.0
「キングスマン」のヤンキーの印象が強いタロン・エガートンが主演だったので、あんまり期待してなかったけどまあまあだったかな。

花形フットボールプレイヤー崩れのジミーは麻薬売買の罪で10年の実刑判決をくらう。が、FBIから、「少女連続殺人犯から死体埋葬場所を聞き出したら減刑してやる」という話を持ちかけられる。
司法取引で5年の刑期になるはずだったのに、蓋開けて裁判してみたら10年になってしまったジミー、最重要警備の刑務所だろうがやったるわい!とこの賭けに乗るが…
そもそもなんでジミーにこの話来たんだっけ?忘れちゃった。
よく言えば人たらし、悪く言えば調子の良さで世間を渡ってきたジミーが果たして、その任務に成功するのか…

ところが、少女連続殺人犯と目されているラリーの 刑期が、再審結果によっては今月まで、とかに短縮される可能性が出てきてしまう。ネジが外れているがバカではないラリーの口を割るというハードルに、タイムリミットというハードルが加わってドラマとしてのお膳立てはバッチリ。Inspired by だかBased on だか、事実のドラマ化らしいんでどこまで本当かわからないけどさ。

さらには刑務所内での自分の潜入囚人(内通者)という立場を知った看守からそれをバラすと脅迫されたり、レイ・リオッタ演じる鉄火な父ちゃんの死期が近づいていたり…

ラリーの収監理由は少女監禁(だか殺人)。他にも殺して埋めているはずなのに、自白もなければ物証もないため(じゃあなんで刑務所入ってんだ、って話なんだが、そもそもの自供が「強要」だったと言われ、それが再審請求の理由になっている)、州警察やFBIは再審が結審する前になんとしても物証(死体)を掴む必要があり、過去の事件証拠を総ざらいする。

その外の世界と刑務所内の世界が同時に展開するので飽きさせないんだけど、そんなこと、当時の捜査でやってなかったんかい!みたいなのもあった。ラリーの双子の片割れからじっくり話を聞くとかさあ…

双子といえば、この兄弟、母親の胎内で片方だけが養分というかええとこ取りをしたらしく、ラリーじゃない方は明らかに男前でしゅっとしてて笑った。なんとかかんとか症だかそれっぽい用語を言ってたんだけど、そんな胎内不平等ってあるんだ!

刑務所内のパワーゲームがイマイチ中途半端だったり(内通者ってバレたのバレてないの?バレたのに報復ないの?)、そもそもマキシマムセキュリティプリズンの割にはみんな自由時間満喫してたり、コワモテ兄さんがいなかったり、なんかユルイ設定だったのも気になる。
とはいえ、「バカではないが何かおかしい」ラリーを演じたポール.W.ハウザーのおかげで最終話まで一気見。
この人、イーストウッドの「リチャードジュエル」でもちょっとズレた人を絶妙な加減で演じてて、どうやってキャラクター造形すんのかなあ、って興味深い。

ところでタイトルの「ブラックバード」って何だっけ?