うめまつ

エルピス—希望、あるいは災い—のうめまつのレビュー・感想・評価

5.0
最終回に感極まり過ぎて繰り返し観続けてたらいつの間にか年を越してた。(本当にあった怖い話)せめてこのドラマが放送できた今が「あの頃はまだ良かった」とならないように、この国が完全な独裁国家になる前に、とにかくみんな選挙に行って欲しい。

冤罪事件の裏側を暴こうとするうちに、最初は仕方なくだったのに使命感が芽生えたり、凡ゆる壁にぶつかって諦めかけたり、立場が変われば保身に回ったりもして、ちゃんと気持ちの揺らぎがあるところがリアルだし、でも少しずつ周りを巻き込んで、ギリギリのところでバトンを繋いで行く過程も見事だった。誰もまっさらなヒーローじゃないけど、人間の尊厳を問われた時の姿勢が説得力を持って描かれていて胸に迫りまくった。

郷敦君にこの役を与えたもうた人、祝福するので一歩前へ出てもらってもいいですか。。?岸本(眞栄田郷敦)の登場時はのっぺりぼんやりしたお坊ちゃんだったのに、自分の過去に向き合って事件にのめり込んだ辺りから顔つきがどんどん変わって行って、その過程はまさに「役を生きる」という言葉を体現していた。ホモソーシャルピラミッドの頂点に上り詰めようとする斎藤(鈴木亮平)の分厚さにも参ったし、その斎藤の底知れない背景に不安を抱きつつも女として惹かれてしまう、浅川(長澤まさみ)の割り切れない粘度の高い気持ちとかまでみっちり描かれていて、さささ流石渡辺あや(脚本家)さんんんん。。!!ってジリジリしながら見た。最早このドラマに出てくれただけで全キャストが大好きだし、制作に関わってくれたすべての人達に感謝している。
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