男女を変えるだけでこんなにジェンダーがわかりやすく可視化できるのか。赤穂浪士の討入は現実よりもグロテスクに。
ただこの話の肝は、男が女に変わったからといって必ずしも徳政になる訳では無いってことだと思う。劇中の水野＝進吉の言うように結局のところ、バランスなのかな……。
【家光・有功編】
「子を産むことが女の幸せ」と強いてくる春日局に今も昔も変わらないなと。男側の不妊がこんなに辛いとは……。愛を知って強くなる家光と弱くなる有功、堀田真由と福士蒼汰の繊細なやり取りの積み重ねが良い。
【綱吉・右衛門佐編】
男に囲まれながら孤独な女・綱吉、自らの生まれを呪い似た境遇の綱吉の心を知った右衛門佐。愛ゆえに手にかけなかった右衛門佐と、愛ゆえに手にかけた柳沢吉保の対比が見事。仲里依紗の鬼気迫る様が良い。
【吉宗・水野編】
“赤面疱瘡”との戦いがコロナ禍とも重なる吉宗編。冨永愛の存在感を中心に脇役も適材適所の配役。8話の片岡愛之助、最終回の貫地谷しほりと、冨永愛と対峙させた“芝居場”を配置してボルテージを上げるのが見事。
