ユンファ

100万回言えばよかったのユンファのレビュー・感想・評価

100万回言えばよかった(2023年製作のドラマ)
1.1
普段つまらないドラマはその時点(大体1話)で観るのをやめてしまうのだが、最後まで観ざるを得ない事情があり、なんとか完走。

何者かに殺害された主人公の恋人が幽霊となって現れるものの、主人公はその姿が見えないため、霊が視える刑事がその間を取り持ちつつ犯人を追う…という何処かで聞いたことのある話なのだが、マジで絶望的にクソつまらなかった。
その最たる理由は脚本と演出。誤解の無いようにはっきりと書くが、キャストは誰も彼も本当に素晴らしかった。

サスペンスとラブストーリーのバランスが頗る悪く、「基本的にはラブにしたいが、それだけでは企画が通らなかったため、サスペンスも添えてみました」感がハンパじゃない。
そのため、「何故恋人は死ななければならなかったのか」という本来重要な筈の要素が、思い出したように偶にしか挿入されない。
そもそも、主人公が犯人を追う理由も、恋人が幽霊になった理由も、刑事が主人公を好きになる理由も弱い。全てが物語のために設定されているようにしか見えない。
ならば「殺害され幽霊となった主人公の恋人が、自分同様に主人公の命も狙われていることを知り、霊が視える刑事に助けを求める。しかし、刑事は次第に主人公に惹かれていく」というような話のほうが、まだドラマがある。

脚本も脚本なら演出も演出で、幽霊にせよ恋愛にせよサスペンスにせよ何処かから借りてきたように既視感のある描写しかなく、何一つとして面白くない。
ラブとサスペンスの混合にも関わらず、何故か演出がコメディ寄りなのも全く理解出来ない。

酷いところは山ほどあるが、特に真犯人が主人公の前に凶器を突き立てる緊迫した(筈の)場面で、20分くらい棒立ちで動機を話し始めた時は、流石に目眩がした。
更に最終話のご都合主義の極致みたいな展開と、海・朝日・恋人たちの自主映画にありがちな要素全部載せラストシーンには絶句した。

井上真央って、ホント作品に恵まれないな…
ユンファ

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