マイロード

透明なゆりかごのマイロードのレビュー・感想・評価

透明なゆりかご(2018年製作のドラマ)
5.0
【産科にいればいるほど 産むのが怖くなるんです】

産婦人科を舞台に、生まれる命と生まれない命、親と子の関係にかなり深くメスを入れている。リアリティがすごくて、調べたら原作は実体験をもとにした漫画ということで納得。「普通なお産」「安全なお産」なんて一つもない事を知れる。第4回の『産科危機』だけでも、これからお父さんお母さんになる人の必修ドラマにしてほしい。

見事にどの回も深く深く刺さる(むしろ抉る)。
中でも第7回『小さな手帳』は他人事とは思えない内容だった。私は「自分の子どもに、母と同じような事をしてしまうだろう」と思って子どもは産まないと決めたので、ミカちゃんを尊敬する。アオイの母を見ると、母もこういう気持ちだったのか、と思う。俯瞰で自分の人生を見られる機会は稀で、そういう体験をくれた今作に感謝だ。


瀬戸康史さん、どっちかと言うと『ルパンの娘』のようなコメディとかあんまり中身のないお役がお得意(超失礼)と思っていたが、誠実な産科医さんは実は今までで一番のハマり役なのかも。素敵だった。

あと第6回のイッセー尾形さんはもうほんとになんて言ったらいいか…。背中だけでお芝居できる方で。言葉にならない。
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