たむ

京城クリーチャーのたむのレビュー・感想・評価

京城クリーチャー(2023年製作のドラマ)
4.0
韓国ドラマ史上最大の期待をしていた豪華スタッフキャストによるオリジナル作品で製作費700億ウォンの超大作です。
日本占領下の京城を舞台にしたホラーアクション時代劇で、『Sweet Home』などとも近い印象の作品です。
期待値の高さと題材と時代背景もあるのでしょうが、私がアップしている時点で、フィルマークス平均3.1は、なかなか見ない低さです…。
確かにテンポが早い韓国ドラマらしからぬ話がなかなか先に続かず、拷問と人体実験にかなりの時間を使っています。
それはファンタジーがリアリティを獲得するために、ディテールや世界観の説明が必要な時間と同じ意味で、ある種の荒唐無稽な物語に現実的な恐ろしさを与える伏線であったことが分かってきます。
それが真価を発揮するのが後半3話です。
ホラーものとして人間の邪悪さから誕生した怪物を登場させ、人間の進化についても語られます。
レジスタンスものとして侵略行為を「幼い劣等感」と表現します。
本作は通常交わらないようなジャンルを越境してくるため、序盤の説明的な展開が後半いきてくる構成です。
そして何よりも衝撃のラストシーン。
一体何が起こってこうなったのか?
ジャンルものにおさまらない深淵な人間そのものと時間の関係も考察してしまいそうになりますが、シーズン2に期待したいです。
科学的な『呪術廻戦』にでも化けるのではないかと期待したいですね。
たむ

たむ