昭和 16 年正月、父・完治(小林亜星)、母・里子(加藤治子)、予科練から一時戻ってきた兄・新一らに囲まれて、陽子(工藤夕貴)は「おせち」の席についた。何かと言うと怒り出す完治を気遣いながら一同食事を済ませると、陽子は里子の父・周造(森繁久彌)のところへ料理を届けてほしいと言うのだ。かつてはトビのカシラとしてその名を馳せた周造だが、軍とケンカしてからは仕事の方もパッとしない。いまや弟子の為吉(イッセー尾形)と細々暮らしていた。その周造もかわいい孫がわざわざ来てくれたというので喜ぶ。そして、陽子を引き連れて出入りのお屋敷・中沢家へ年始の挨拶に出向いた。かつてそこには里子の友人・静枝(八千草薫)がいたが、その静枝も軍人の元へ嫁いでもう 20 年になる。周造は中沢家を訪ねて仰天した。静枝が帰ってきていたのだ。嫁いだ娘が元日から夫を放って実家に戻っているのはおかしいと周造は怪しむが…。
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