Reno

バカニアーズのRenoのレビュー・感想・評価

バカニアーズ(2023年製作のドラマ)
5.0
予想外に心掴まれた、、
本当にこんな気持ちになるなんて、、

古風なラブストーリーではなく、れっきとした女性達のエンパワーメントストーリー

もともとはクリスティン・フロセスとアリーシャ・ボーが好きだから、ピリオドドラマ苦手な気持ちを抑えて見始めたんだけど、だんだん物語の良さに引き込まれて毎週楽しみな作品になってた。

確かに時代的に、男尊女卑でしきたりや窮屈な価値観に縛られた恐ろしく息の詰まる世界観なんだけど、その中で精一杯、女性達の自立と前進を色んな立場から描いていて、キャラクター達にとても惹きつけられる。

あとやっぱりテイラー・スウィフトとか色んなポップミュージックに彩られて、REIGN/クイーンメアリーやブリジャートンとかみたいに現代ティーン向けに、モダナイズされてるのもピリオドドラマ苦手人間にとっては救いだった笑

おかげで本当に良い意味での月9っぽさを感じて、すごく心がウキウキワクワクした!!ラブストーリーの面でも、昔の面倒くさい男社会が鼻につくのは当然なんだけど、それはそれとしてちゃんと魅力的です胸が高鳴るロマンスが散りばめられていて良かった!!

そしてなんといってもリジーとメイベルの姉妹、そしてナンの母親、この3人がMVP!!この3人が本当にドラマの要でした!!素晴らしかった!!この3人がいてくれたから、このドラマが一段上の作品に感じられて、好きになれたんだと思う!!でなきゃただ単に好きな俳優達が可愛いドレス着てるの楽しむドラマになっちゃってたよ、、

ということで以下キャラごとに

★主人公ナン★
すごく素敵な子だし、とても良いんだけど、まあ確かにもう少し色々前後関係意識して動いても良いんじゃない?とは思った笑

大体言ってることは正しいし、人並外れた優しさも持ってるんだけど、もう少し頭使ってゆっくり進めても良い部分もあったと思う笑 特に恋愛結婚面!笑 無駄に傷つける段階増やしてたように思う笑

演じたクリスティン・フロセスは相変わらず可愛い!いつもブルー系統のドレスがとっても似合う!

★ナンの姉ジニー★
えっと、この方、終始好感度下がることしかしてなくない??笑笑

まず序盤で、何も知らないナンに、腹いせでナンは婚外子だって暴露して、ナンを戸惑わせ、その挙句、お母様に秘密を漏らしたこと言わないでって口止めする。親友軍団の一人、リジーにハラスメントしたリチャードの見方して、リジーを責める。モラハラ男のリチャードのために母親も妹も攻撃する。最終的に自分が暴力振るわれても、リチャード庇おうとするし、さすがに逃げることにしたけど、結局そのせいでナンは自分のロマンスや人生を犠牲にすることになったし、こんな嫌われ者にして良いの?ってくらい嫌われ役だったよね笑笑

★コンチータ★
「13の理由」のジェシカ役、「リベンジスワップ」のタラ役で、恋に落ちたアリーシャ・ボー✨今回はピリオドドラマということで毎回ドレスアップでとっても素敵だった〜✨しかも好きな色、紫だから紫系統多いのも嬉しかった!!✨

キャラも良かったよね!!

★メイベル★
そしてこのドラマの一押しキャラ❶はレズビアンのメイベル!!演じたのはトランスジェンダー女性の俳優ジョージー・トータ!やっぱり同じトランス女性として元からジョージーが活躍するのは嬉しかったんだけど、想定を遥かに超える素晴らしい役を演じてた!!

ピリオドドラマでトランス女性がレズビアンを演じるというレプリゼンテーションの貴重さ、ありがたさ、、、本当に感動した😭おそらくキャラクターそのものはトランスという背景設定ないと思うんだけど、それでも全然嬉しいんだよね、、

逆にジョージー本人はトランスではあるけど、ヘテロセクシャルなのかレズビアンなのか、はたまたバイだったりパンだったりなのかは分からないけどもちろんそのどれでも良い

この昔の時代の中でも悲しいことにいまだに通じてしまうレズビアンの苦悩が至る所に描かれていて、私自身トランスのレズビアンだから、セクシャルマイノリティとして本当に共感した。

私の場合、母親からあんなふうに不可視化されたことはないし、社会であそこまで居場所がない時代でもないけど、それでもあの辛さはすごくリアルに感じられた。

そして極め付けは最終回。優しくて賢い姉リジーへのカミングアウトのシーンは本当に涙が溢れるシーンだった。すごく自分に重なったんだよね。色んな葛藤や常に消えない不安とか。
気持ち悪いと思わない?って聞くところなんか、もうこれだよねって感じでたまらなかった。そう…これ…って思った… これが私達が常に抱えざるを得ない不安であり恐怖であり、自信のなさで。こう思わせる社会は今も続いてるからね。本来そんな風に思うべきじゃないって分かってても社会がそれを許す環境ではないんだよ、、

特にトランスのレズビアンという二重マイノリティの私としては特大の共感を抱かずにいられない、まさにありふれた表現だけど胸が張り裂けるシーンだった。

本当に製作陣に感謝
こんなにも当事者の葛藤を的確に捉えた物語を届けてくれて。そしてそれをトランスのジョージー・トータに任せてくれて。ジョージーもいつか会いたいなって思った。彼女の思いを聞きたい、、

★メイベルの姉リジー★
キャラとしてすごくかっこよくて素敵な人だった。リチャードみたいなクズにかき乱されてずっと悔しかったけど、いつだって大人で強くて、そして優しくて。
メイベルなカミングアウトのシーン本当素敵だった!!良い姉!!良い姉妹!!

★ナンの母親パトリシア★
そしてメイベル、リジーと同じくこのドラマで素晴らしいキャラだったのがこの人!!

この人のセリフのかっこよさといったら。
夫の浮気で生まれたナンのことも心から愛し、常にナンのためを思っていて、そしてナンの成長とともに、自分自信の強さも取り戻していく姿は胸熱だった、、
特に4話と最終話が本当にかっこよかったです、、

なんて素晴らしい母娘、、

★その他★
前半でも少し書いたけど音楽も本当好き的なものが多かった!!良い具合に甘さと爽やかさがあって、これぞ若者だとのヒューマンドラマって感じ!!それこそThe CWとかabcとかfreeformのドラマを思い出す感じ

あとオープニングタイトルシークエンスもすごく好きだった!!花を敷き詰めて、光り輝く、あのクールさと可愛さのバランスがバッチリなタイトルカード本当良い!!

★シーズン2へ★
ということで予想外にどハマりできた素晴らしきフェミニズムドラマ!!
シーズン2も楽しみにしてます!!
ナン、リジー、メイベル、コンチータ、セントジョージ夫人みんな幸せを掴んで!!!
Reno

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