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満願のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

満願(2018年製作のドラマ)
4.7
米澤穂信の短編を3夜連続ドラマ化。
第1夜「万灯」。
東南アジアでガス油田開発に携わる商社マン・伊丹(西島秀俊)は、土地の買収が地元民の反対で頓挫し、窮地に追い込まれていた。ある日、伊丹は地元の長老らに呼び出される。金が欲しい長老らは土地を買収してほしいと考えており、反対派のリーダーを殺すよう伊丹らへ要求する。
スペシャルドラマの第2夜「夜警」。
警察官・柳岡(安田顕)の部下・川藤(馬場徹)が刃傷沙汰になった夫婦げんかに巻き込まれ殉職する。夫から身を呈して妻を守った川藤の行動は世間から賞賛されるが、柳岡は川藤に違和感を覚える。そして、事件当日、交番近くの工事現場で不審な事故があったことを思い出す。
スペシャルドラマの最終夜「満願」。
弁護士・藤井(高良健吾)は学生時代に世話になった下宿のおかみ・妙子(市川実日子)の弁護を担当。夫の借金で家計に窮する妙子は、ある日返済を強要する金貸しを殺害したという。恩人である妙子のために奮闘する藤井だが、妙子は突然、裁判の控訴を取り下げると言いだす。

ガス油田開発のために、手を汚す出世欲に狂った商社マン伊丹の強欲と保身。
刑事としては優れているが、後進の指導が上手くいかない柳岡の哀愁。
妙子が、殺人を犯しても叶えたかった願い。
それぞれのエピソードは、簡単に白黒つけられない人間の複雑な深淵が描かれていて、安田顕や高良健吾や市川実日子の演技が見応えあるヒューマンサスペンスミステリードラマ。
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