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鹿男あをによしのtubameのレビュー・感想・評価

鹿男あをによし(2008年製作のドラマ)
3.8
西暦2007年の神無月、一人の男に白羽の矢が立てられた...


以前CSで途中まで観て続きが観れずじまいだったが、この度の配信のお陰で数年越しでの完走が叶った。達成感が凄い!
奈良を舞台に主人公が日本を救うべく奮闘する不思議冒険ファンタジーで、原作は万城目学。
正直よくこれを実写化する気になったなと思うくらい、なかなかの非現実感が強い物語だ(こんな攻めた設定のドラマ、今じゃそうそうお目にかかれないよね)。ただかなりよく作り込まれている印象で、物語に充満するミステリアスかつアカデミックな雰囲気に今観てもとてもワクワクさせられる。喋る鹿なんかは明らかに作り物だけど、そういうローテクっぽいところも含めていい味わいだ。リアリティが薄い作品で手ぬるさがあると白けてしまうことが多いから、この作品の製作陣は真面目に原作の世界観を再現していたということだと思う。真剣さはやはり伝わるものがある。


小川先生を演じた玉木宏が常にぼーっとした顔をしていて情けないというか、頼りなくて1ミリもカッコよく見えないのが凄い。俳優だな~。
早口歴史オタクで感覚がずれまくっている藤原先生(綾瀬はるか)も可愛いし、眼力強すぎの堀田さん(多部未華子)も面白いし、柔らかくも存在感抜群のリチャード(児玉清)も好き。総じて登場人物はみな魅力的だった。


小川先生が下宿している古民家のノスタルジックな感じや全体に漂うおおらかさも凄く好きで、毎回癒されていた。奈良という場所自体が主人公みたいなところもあり、なんだかとてもふらっと奈良に行きたくなる、そんな作品だった。
恋愛ドラマもお仕事ドラマも飽きた、とか疲れているので癒されたい!という人にはとてもオススメしたいドラマだ。
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