ShoM

仮面ライダー龍騎のShoMのレビュー・感想・評価

仮面ライダー龍騎(2002年製作のドラマ)
4.0
「この戦いに正義はない。そこにあるのは純粋な願いだけである」
斬新なデザインと、仮面ライダー同士の殺し合いという物語で、本当の意味での平成ライダーのスタートになった1作。

善悪二元論ではなく「人の数だけ正義がある」というテーマ性。13人の仮面ライダーの群像劇としての魅力。最終回のたった2つのセリフで劇場版とTVSPも回収する巧みさ。時折見せるJホラーばりの恐怖演出に、時にスタイリッシュだったり詩情をしのばせたりする映像感覚。

平成ライダー1期では『クウガ』に次いで作品そのものの完成度が高いと思う。

戦いを止める為に戦うという矛盾を孕んだ主人公・城戸真司。昏睡状態の恋人を救うために戦うライバル・秋山蓮。相容れないはずの2人が戦う中で絆を深めていくブロマンス的なドラマも良い。

妹・神崎優衣を延命するため仮面ライダーのバトルロワイヤルを繰り返す神崎士郎は、今見るとシン・エヴァのゲンドウのよう。よくよく見ると番組ロゴの龍が無限大の形になっているんだけど……。

主人公・城戸真司の死というショッキングな終盤の展開。それまでのライダーの死は、非現実な描写か間接的な描写だったのに対し、真司の死では血を見せる。血を強調することで、ヒーローの死ではなく、一人の人間の死として描いている。
ShoM

ShoM