滝和也

仮面ライダークウガの滝和也のレビュー・感想・評価

仮面ライダークウガ(2000年製作のドラマ)
4.5
グロンギ蘇る時、
聖なる戦士現る!

よりスタイリッシュに、現代的に、蘇る伝説の仮面ライダー!未確認生物第4号、クウガの力を解き放て!

平成の世に満を持して、復活した仮面ライダー。平成ライダーの祖にして、その身を捨てて人類の自由と平和を守るため戦うと言う全てのライダーの系譜を見事なまでに受け継いだストーリーに只々、嬉しかった記憶が。

平成という世にそぐわない世界征服を狙う悪の一味は、人類の天敵、生態系の上位に当たる謎の種、グロンギとなり、ライダーも改造人間と言う悲劇から、古代の生態兵器に取り込まれたアマゾン(ガイバー)に近い存在としてボカシています。

ただこのグロンギ、人類は狩り、いや狩りの対象以下の出世ゲーム(ゲゲル)の対象でしかなく、バンバン殺人を犯す凶悪さ、昨今のヌルい設定とは隔世の感ありです。その恐怖感は正にライダー旧1号のテイスト。またその種族の階級システムはズ集団、メ集団、ゴ集団とわけられ最強のアイツに向かうと言う設定がまた良くて、明らかに段々強くなってくる。特殊なグロンギ語を介して、謎をよぶゲゲルに如何に対抗し、更に強くなる動植物の特徴を持つ怪人に如何に対抗するのかと言うテーマが好きでしたし、お話の柱になっています。

それ故、クウガが強化していく、各種フォームに随時変身するアイデアも無理なくハマっており、現在まで平成ライダーの魅力にもなってますよね。古くは昭和ライダーの特訓による強化、再改造によるものとある訳ですが、古代の能力を発見すると言うやり方がはまってます。また後半より強くなるのは、雷の力、金の力ですが、チャージアップする昭和ライダー、ストロンガーに通じる所もあり、嬉しい限りです。

また仮面ライダー1号以来の人間の相棒がいる展開も素晴らしかった。警視庁との連携してクウガと一緒に戦うのは胸熱な展開を作り出してくれています。クウガのマシン、ビートチェイサーは警視庁のマシンですから。またマシンを中心とした回に登場したゴ・バダー・バ(バッタ怪人!)とのバイクアクション、対決はライダー史上に残る屈指の対決でした。

クウガの力に取り込まれながらも、凄まじき存在、人類の敵にならない様、その持ち前の明るさと前向きさ、冒険心で突き進む五代に新星オダギリ・ジョー。飄々とした演技で和ませながら、恐怖と戦うその姿は素晴らしかった。

そして五代を認め、陰日向となりながら、クウガを助ける警視庁刑事一条に葛山信吾。この方の演技がなければ、ここ迄の作品にはなり得ず、リアリティを引き受けてくれていました。滝和也の唯一跡を受け継げた男です。敵のラ・ルバ・デ、美しき薔薇の女との絡みは見事。気になりました(^^)また彼を中心とした警察チームが皆さん良い方で、胸熱なシーンを作り上げてくれました。

ヒロインにグロンギ遺跡の研究者である村田和美さん。息が抜ける癒やし系でした。また五代の妹さんやおやっさん役のきたろうさんも殺伐とした戦いのドラマに一服の清涼剤となっていました。

今見てみると、ライダーは孤独でありながらも、仲間の絆を有し困難を乗り越え進む前向きな姿が良かったのかなと。今作がなければ今はなく、やはり名作ですね(^^)
滝和也

滝和也