トランティニャン

ベター・コール・ソウル シーズン5のトランティニャンのレビュー・感想・評価

5.0
今シーズンは1話1話のアップデートが半端ない。確かな撮影、演技、演出さえあれば感情を吐露する言葉はいらない。
正直、これ『ブレイキング・バッド』に接続するんだろうかとすら思う。あのソウル・グッドマンにこんな過去があったんだ、という(かなりの確率で悲劇的な)結末が来シーズンで訪れるのだが、にしてはあまりにも重い……。

今シーズンの主役は二人いる。まずはキム。
ジミー→ソウルの道を選び、そこから抜けられない、あらゆるものを失ってしまうことを確信して、後半苦渋の表情を浮かべるジミーに対し、キムはどんどん自分に正直に、そしてちょっぴり悪くなっていく。彼女は真面目というより、自分に正直でありたいのだ。

そしてラロ・サラマンカだ。前シーズンからマーロン・ブランドのようなセクシーさに男ながら見とれてしまっていたが、サラマンカなのに(笑)、来シーズンを面白くするために彼の戦闘能力、そして知力を非現実的なまでに高め過ぎていないか心配になる。。

その二人が真っ向から対峙したE9は傑作。プリクエルだと分かっているからこそ心臓が止まりそうになった。
もちろん、『ブレイキング・バッド』のハエのエピソードのように、物語の本筋から独立したシチュエーションとアイテムを使ってマイクとジミーの本質を描き切ったE8や、フライヤー洗浄とカーチェイスのカットバックでこれまでにないスリルを演出したE4も傑作です。