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忍者戦隊カクレンジャーのtubameのレビュー・感想・評価

忍者戦隊カクレンジャー(1994年製作のドラマ)
3.0
忍者の末裔の青年たちが妖怪たちと戦う姿を描く1994年の戦隊シリーズ。
引き続き東映YouTubeの配信で完走した。


この前に観た「ダイレンジャー」に思いの外ハマったこともあり、本作のノリについていけるか心配だったけれど、ネコバスのような車で妖怪退治に出るロードムービー要素、女性の鶴姫をリーダーに据えた設定(途中で有耶無耶になるけど)、アメコミと和風をミックスしたようなポップな妖怪のビジュアル、講釈師が顔出し出演しナレーターとして妖怪や物語を説明するなど、本作にも凝った仕掛けが数多くあり、直ぐに夢中になった。
明るいコメディと定番の忍者アクションの掛け合わせはとても魅力的で、いちいち変身の時にオールドスタイルの忍者装束を一旦挟んだりするのもワクワクした。戦闘時にアメコミ風の擬音が画面に出てくる演出も楽しい。
どこかダメダメな登場人物たちも何故か憎めない妖怪たちも愛らしく、毎回楽しみに観ていたのだが.......


中盤で青春激闘編を挟んでシリアス強めの王道ヒーロー物へと大きく路線変更してからは正直全然ハマれなくなってしまった。主人公たちが修行して心身共に成長するのはまさしく王道だし、大魔王が出てきて妖怪が悪者ぽく組織立って行動するようになるのも単純明快で分かりやすい。今もファンが多いことを考えると試みとしては成功したのだろう。
が、定番展開が多くなったが故に折角のオリジナリティが薄まった印象を受けるのは勿体無く感じたし、毎回楽しみだった講釈師が居なくなったのもとても残念だった。


ただクオリティ等は申し分ないし、子供にも躊躇なく薦められる作品だろう。ただただ自分の好みに合わなかったということに尽きる。
トータル評価なのでスコアは低いが、序盤は本当に好きな回が多かった。
最初何を言っているのか聞き取れないくらいだったジライヤ役のケイン・コスギの日本語がどんどん巧くなっていく過程が観れたりと、物語外で面白い要素もあった。
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