めしいらず

王様のレストランのめしいらずのレビュー・感想・評価

王様のレストラン(1995年製作のドラマ)
3.2
オーナーシェフだった父の跡を兄が引き継ぎすっかり経営が傾いた老舗のフレンチレストランに新オーナーとしてやって来た弟が、かつて伝説と呼ばれ往時のことを知悉するギャルソンと共に、個性の強い従業員たちをやがて束ね店を立て直していく。極めて有能だがやる気がないシェフ。自信がないパティシエ。役に立たない給仕。気取り屋のソムリエ。店に巻き起こる諸悪の根源たるディレクトール(兄)。それぞれ一癖も二癖もある彼らの中にあって坊ちゃん育ちのオーナー(弟)の浮世離れしたピュアさ(奇人さ)が際立って可笑しい。そんな彼らをそうと分からせずに良い方向へと導いていく切れ者のギャルソン。お話そのものよりも一人ひとりの強い個性が愉快な人間喜劇として面白い。ちまちました小ネタの可笑しさも三谷脚本ドラマに欠かせない特質だろう。シリーズドラマにこそ最も才能が生きる脚本家なのだと思う。ただギャルソンが伝説とまで謳われた理由が今ひとつ腑に落ちない気もする。またレストランのお話なのにバックヤードの描写にほぼ限定されていてホール内の描写がさすがに少なすぎる感じもしなくはないかも。
再鑑賞。
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