なお

マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン5のなおのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

女性ながら一流の漫談家を目指すミリアム・”ミッジ”・メイゼルの活躍を描くドラマのファイナル・シーズン。

✏️tits up.
まだまだ男性優位であった1950年~1960年代の社会を駆け抜け、見事スターダムへと上り詰めたミッジとスージーの物語、いよいよ終幕!

このファイナル・シーズン、物語の構成や見せ方というものが実に巧妙。

各話のプロローグ的に、ミッジたちが活躍していた1950年~1960年代から少し先の未来におけるエスターとイーサン、また年を重ねたミッジとスージーが活躍する様を描くという演出は実に見事。

そんじょそこらのドラマ作品ならば、最終話のエピローグにて「ミッジとスージーは芸能界で成功し、見事スターになりました。めでたしめでたし…」とするところを、本作でそんな「お決まりの」形にはしない。

あらかじめ「ミッジとスージー、そしてエスターとイーサン」の明るい未来を描くことで、前シーズンのクライマックスにて悲劇に見舞われていたミッジがどのような逆転劇を演出したのか?
視聴者の興味と興奮をそそることに成功。

当然、その「成功」に至るまでの道のりは長く、険しい。
人気番組、ゴードン・フォードショーの作家になったミッジだが、当時の芸能界はやはり男性優位。
「面白い」と自負している自分のネタも番組には採用されない。

実力も自信も、そして実績もあるのに「女だから」という理由で全てが反故にされ認められない…
そんな理不尽に打ちひしがれ、自宅のバスルームで嗚咽するミッジの姿は本当にいたたまれなかった。

だがしかし、そこでへこたれないのがミッジ。
最終話ではまたも理不尽な扱いを受けるが、持ち前の胆力と度胸、そしてアドリブ力ひとつで「4分間」限られた時間に転がるチャンスをつかんだ。
(ちなみにミッジがデビューした、ガスライトで披露したステージの時間もおよそ4分)

先に「成功する未来」を描くことで、その未来にたどり着くまでどのような紆余曲折があるのか…?
視聴者に大いなる期待を抱かせつつ、説得力のあるストーリーを持って物語を完結させるストーリー展開はお見事。

☑️まとめ
自分がこのドラマを見始めてから約3年経つけれど、ついに終わってしまったんだな…という寂しさがやはり残る。

「自ら夢をつかみに行かなければいけない」
男性優位の社会情勢の中、生まれも生活水準も違う二人の女性がタッグを組み、どんな苦難にも負けず自ら動いてチャンスをつかんで成功に至るまでの道筋を描いたこれまでのドラマはまさに波乱万丈。

自分も老後は、仲のいい友人とクイズ番組でも見ながら、酒を片手に笑いながら過ごせる日々が来るといいな…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★★
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

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