オレオレ

ジョン・アダムズ シーズン1のオレオレのレビュー・感想・評価

ジョン・アダムズ シーズン1(2008年製作のドラマ)
5.0
映画はまだしも、TVの連続ドラマやミニシリーズって再鑑賞しないんだが、この作品はリピに値する!

15年も前かあ〜
主役二人の好演はもちろん、HBOは金あるなあ、とつくづく思わされたドラマ。ついでながら、トーマス・ジェファーソン役のS. ディレインの色気にも参ったドラマ(と言いつつ同じくHBO+ディレインのGOTは途中脱落)。

名前と第二代大統領、というプロフィールのみ知っていただけのジョン・アダムスの話であるが、彼の人生ハイライト、独立宣言の部分は意外にあっさり、その後の政治家としての歩みと政治信条の貫き方という表舞台に加えて家族への愛が語られている。

奥さんのアビゲイル・アダムス、後世の人間が良妻賢母なイメージを多少は「盛って」いるとは思うが、当時としては珍しい自分の足で立っているタイプで、夫の政治活動にも的を得た助言を行う視野の広い女性。かといって鉄火一辺倒ではなく、国会出席やフランス特使で不在がちの旦那を恋しがる情の濃い部分もあって、芸達者ローラ・リニーにピッタリだった。

ジョンもただの5ドル札だか10ドル札に載ってるおじさん(載ってません!)だと思っていたが、独立と戦争回避とに政治生命をかけた熱い人で、それが短気となって表れたり。大統領なのに選挙で負けたらあっさり地元で野良仕事してて、おかしかったけど。

こういう良質なドラマを見ると、あーちゃんと世界史やってりゃ良かったなあ、と思う。あんなに仲良かったジェファーソンとも政治信条の違いから喧嘩別れみたいになったり(だから後半の和解後の手紙が胸熱)、建設中ホワイトハウスの仮住まい感だったり、映像化されて興味が沸く話ってあるよね。このドラマでは結構やなヤツに描かれてるハミルトンも、あの大ヒットミュージカルでは違う視点で語られてるだろうから、そっち方面から見てみたい気もするし。

今でこそ俺様世界一、とエラソーなアメリカの、若い頃のひたむきさを垣間見る事ができるなかなかの良作。