ウシュアイア

素晴らしきかな人生のウシュアイアのレビュー・感想・評価

素晴らしきかな人生(1993年製作のドラマ)
3.7
以前、再放送か何かで断片的に見たものの、FODで最近一気見。


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(あらすじ)
18歳のひと夏の恋で身籠った結女(浅野温子)は19歳で幼なじみ新平(佐藤浩市)と結婚するも、10年ほどで新平の浮気が原因で離婚、料理教室の講師としてはたらきつつ14歳になった娘の遥(ともさかりえ)と二人で仲睦まじく暮らす。遥の学校に、遥の実の父親の弟である貢(織田裕二)が教員としてやってくる。貢にとって結女はかつての兄の恋人であるとともに、初恋の相手であった。

貢は同僚で同棲中の恋人・初音(富田靖子)がいながら、猛烈にアタックする。男に二度も裏切られ恋に臆病になっていた結女は戸惑う中、乳がんになり、乳房の片方を失い、失意のどん底に。そんな彼女を支えたいという貢に心を動かされ、結ばれる。貢の兄で結女のかつての恋人・邦生との再会、初音の妊娠発覚の後の自殺を乗り越え・・・。
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30年近く前のドラマということで、教師が教え子の母親にアタックしたり、学校内でその元夫と喧嘩をしたりというところにツッコミどころは満載であるものの、いろいろと考えさせられるものがあった。

離婚はしたものの、やりがいのある仕事をしながら、娘と仲良く暮らす女性が恋をしていないからといって不幸なんだろうかとも思ったが、男も女も仕事と子どもだけではない。また、人生山あり谷ありで、病気の時に支えてくれる存在がいるということはやはり素敵なこと。

新平は別れた元奥さんに未練たらたらとも思えなくもないが、実の娘ではない遥を実の娘のように愛し良い父親であり続けたこともあり、見方によっては、多くの女性を愛することができる器の大きな男ともいえる。新平にしてみると、貢を「青い若造」と言った意味も分かる。また、困っている妻でない女性を助ける、守ることは本人にとっては悪気はないというのは男性目線では理解できるものの、妻にしてみれば裏切りに感じ、そこが男と女の違いなんだろう。

貢と初音の関係からも、愛情があれば優しさを与えられるが、優しさは愛情をは保証するものではないし、ウソはいつまでたっても本当にならないことを示唆している。初音って結局自分のことしか考えていなかった。

そして、三人の父親の間に揺れながらも、母親の幸せを見守った遥を演じたともさかりえが当時13歳だったことに驚き。17歳で結婚した幸せそうな新婦の表情を13歳でどうやったらつくれたのか!13歳にして完成されたビジュアルと演技力。改めて彼女の魅力を再発見。
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