オレオレ

トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査のオレオレのレビュー・感想・評価

4.0
シーズン1を10年ぶりくらいに鑑賞した後、流れでS2とS3を見る。
同シーズンと呼ぶのも憚られるS2はほっとくとして、時間軸が入り乱れる中、ひとつの猟奇事件(S3はそれほど猟奇性なし)に取り憑かれる刑事たちを描くシリーズ。
今回もアメリカ南部が舞台で、M. アリ演じる主人公の黒人や退役軍人としての背景が混ぜ込まれている。

M. アリもいいんだが、彼の白人の相棒役のスティーブン・ドーフが出色だったなあ。
いろいろ映画に出てる割にこれといった代表作のないドーフ、真面目で一本気なアリの刑事に対しての軽め刑事役で、ふうん、という配役だったが、後半に入るとぐっとくる感じ。
特に、事件発生から10年後に再度コンビを組んだ時、刑事畑に居続けそれなりに出世したドーフと、降格人事で平のままのアリとの距離感が絶妙だった。

差別の残る南部で黒人とコンビを組んでいた(いる)こと、ベトナム戦争で偵察隊員として活躍したアリへの尊敬、刑事としての能力、そういう諸々を超えて感じている友情などがわかるような表情や演技。
とりわけ、頑ななアリに怒りを爆発させ、Nワードが口先まで出かかってでも出さない(アリも出かかっているのがわかっている)、あのシーンはすごく印象的だった。

事件としては警察の捜査が偏見に基づきすぎなんじゃないか、無駄に人が死ななきゃいけなすぎ(特に父親役のスクート・マクネイリーがお気に入りなので)だろうと思うが、いちおう解決する。
が、その解決をアリにああいう形で見せたのは面白かったなあ!認知障害のエピソードはこのためか!って感じで。

難癖つけるなら、みんなの訛りが緩すぎること、80年代、黒人ならもっと差別されてたんじゃないかということ。90年代に実際にアーカンソーで暮らしていた私の感覚とはちょっと違うなと思ったのでマイナス0.5ポイント。