見た人が大好きになる女優スン・リーの数あるドラマの中でも一番好き。
というか今まで見たドラマの中でもトップクラスに素晴らしい。
清朝というと後宮ものが多いなか、その紫禁城の外に住む人々の方が圧倒的に多いわけで。これよ、これが見たかったと思わせる題材。
大道芸を生業とする流れ者の少女が、運命に導かれ豪商の一人息子に嫁ぎ、波瀾万丈の人生を切り開く女性の一代記。まさに大河ドラマ。
構成、脚本、演出、美術に衣装、善悪織り交ぜて練り上げられたキャラクター、老若男女隅々に至るまで貫かれた役者の堅実な演技、どれをとっても超一流。
特筆すべきは、74話という長尺でありながらスピード感に溢れ先が気になって仕方ないという構成力。と思えば端折るとこはサクッと端折る潔さ。
そして台詞に頼らない余白で人物の心情を理解させる緩急のついた演出も見事。
加えて、清朝末期という時代劇でありつつも、現代に通じる権力者の利己主義と翻弄される民との対比。中華エンタメお得意の隠された主題もしっかり健在。
BS放送時、これほど実況して沢山の人達と意見を交換したドラマもない。
人間って…と何度も考えさせられたし、多くの人の感想や考察を読んでいて本当に楽しく、学びも多かった。
間違いなく、この先もずっと自分の心に残る傑作ドラマ。
