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チェルノブイリのmのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
愚かな国家&人間によって引き起こされた史上最大の人災が如何に発生して、如何に人々が翻弄され立ち向かったのかを、息詰まる緊張感と重く生々しい重厚感に加えてエンターテイメント性もごく微かに加味して描き抜く、ドラマ史に残る必見の大傑作。忘れてはならない、何故なら人間は繰り返すから。
歯軋りして見てるこっちが叫んでしまう程の国家と人間の駄目さ、それこそがこの惨劇を引き起こしたという事を語り継ぐ。そんなドラマ制作陣の強い意志に対して、現実の人類はこのドラマが世に出た後も案の定愚かな行為を繰り返している。原発事故とは関係無く、戦争や汚職という形で。

作り手の意志と怒りが滲む演出と脚本が圧倒的に素晴らしかった。

ジャレッド・ハリス、ステラン・スカルスガルド、エミリー・ワトソン、ジェシー・バックリーという英語圏の実力派俳優陣が抑えに抑えつつも熱量の高い名演を繰り広げる。中でもジャレッドとステラン(言われないと彼だと分からない)は新境地開拓と言っていいくらいの良さで、最悪の所から始まったこの2人の関係性はこのヘビー極まるドラマの中の一時の安息にもなっている。
某人気若手俳優が登場して、相変わらずの雰囲気を放っているのも見所。

最終回ラストで明かされる実在の登場人物達のその後も重く胸にのしかかる。後遺症で早く命を落とした者、すぐに亡くなるかと思いきや長生きしている者。そして不幸のどん底から幸せになった人の、今住んでいるという場所が・・辛かった。

何回でも言ってしまうけど、「最終絶叫計画」3・4作目と「ハングオーバー!」2・3作目の脚本家が、今はこのドラマとドラマ版「ラスト・オブ・アス」の脚本を書いているという事実、凄いね
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