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黒猫亭事件のShoMのレビュー・感想・評価

黒猫亭事件(1978年製作のドラマ)
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焼跡を生きるタフな人間たちの中に、ひとりの哀しい女。「顔のない死体」を巡る奇妙な事件の中に挿入される、玉の井や進駐軍から粉を盗んで品を出す屋台の親爺等々、やはり安倍徹郎の脚色に唸らされる一篇。

小説という表現だからギリギリ成立していたトリックを巧みに映像化。黒猫のクローズアップを多用して、まるで猫が事件をすべて見ていたかのような編集は作品の不気味さを強調。

そして太地喜和子の強烈な存在感。石坂浩二と並ぶ金田一俳優ながら、古谷一行の金田一像を継承した作品はあまりない気がする。
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