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バリでの出来事のstarryのレビュー・感想・評価

バリでの出来事(2004年製作のドラマ)
4.8
「ごめん、愛してる」でお約束のミサペインになりどうしようもなく「ソ・ジソプ」に夢中になった私。聞けばこのドラマのカンイヌクという役はごめ愛のムヒョクより素のジソプに近いという…

脚本家はカンイヌクというキャラクターを作るにあたりソ・ジソプをイメージしただか、ソ・ジソプをイメージしてカンイヌクを作っただか、そんな逸話を当時何かで見た。

その後のソ・ジソプのドラマをいくつも見たけど確かに「原型」のようなものをカンイヌクに感じる。

2話目から主要登場人物が4人揃い、そこから不協和音、あちこち歪みが出てくる。わずかな仕草や視線、会話に棘や毒、挑発、牽制、そんなものが見える。

2人の女からはどっちも女の嫌なところを容赦なく見せつけられるよう。それとは別の要素として富める者、貧しき者、どちらも闇もかかれている。

ハ・ジウォン演じるスジョンのしたたかさがあまりに露骨でハ・ジウォンという女優自体NGになった友人も1人ではない。ファム・ファタールなんて小洒落た言葉では言い表せない、もっとえげつない種類のもので、役の上とはわかっていても「ムリ」となるんだろう。そういう意味ではハ・ジウォンはいい役者なんじゃないかと思う。ハ・ジウォンは「チェオクの剣」でも二人の男の間でゆらゆら、ゆらゆら揺れる役をやってた。まぁそういうの同性としては受け入れないよな。

カンイヌクの「諦め」と「抵抗」を抑制した感じに演じるジソプがいい。熾火のように静かに燻り続ける諦めと怒りと嘆きが混ざったような感情をその雄弁な目が語っている。
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