クーベルタンはな

ケイジとケンジ、時々ハンジ。のクーベルタンはなのレビュー・感想・評価

3.2
『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の主人公・仲井戸豪太は、昨今重視されるコンプライアンスなど「?」状態で、「とにかく犯人を逮捕して、被害者に感謝されたい」と躍起になる元体育教師の刑事。
 デリカシーがなかったり、昇進も気になる…といった人間的に未熟な部分を残す一方、地域住民とのふれあいを大切にするような人情味あふれる姿勢を貫き、己の足と刑事の勘、元教師の情熱を生かした捜査を展開していきます。
 そんな《中途採用の情熱刑事・仲井戸豪太》の前に立ちはだかるのは…「人を裁くには法が全て。人生経験や人情など関係ない」と言い放つ《“日本屈指の頭脳”を持つ検事チーム》。そこへ、新たに司法サイドから、通常の刑事ドラマではほぼ登場することのない《唯我独尊の判事(裁判官)》も参戦します! というのも、ドラマではパッと出がちな逮捕令状や家宅捜索令状…実は必要な証拠を集めた刑事からの請求を、ほかでもない判事(裁判官)が認めなければ発行されないのが現実。さらに検事が求める“被疑者の勾留請求”やその延長についても、判事が決定権を握っているのです。しかも、判事は独立性の原則から、上司や組織の目を気にする必要がない! その揺るぎない存在は、組織のしがらみも多い刑事や検事にとって、いわば目の上のたんこぶ、難攻不落の存在で…!?
 《令状→逮捕→送検→起訴→令状→裁判》という一筋縄ではいかない過程の中、学歴も身分も収入も資格も捜査方針もまったく違う《決して交わらない人々》が真っ向からぶつかり、交わっていく姿を描く。